疎水結合(そすいけつごう)
水分子を避けるような疎水性の分子や原子団同士が、水中で互いに引き合うことによって形成される結合のことである。共有結合のような強い結合ではなく、比較的弱い相互作用である。そのため、髪が膨潤すると離れるため結合は弱まり、収縮(収れん)すると近づくため結合が強くなる。
ケラチンにおける疎水結合
ケラチンを構成するアミノ酸の中には、ロイシン、イソロイシン、バリン、フェニルアラニンなど、疎水性の側鎖を持つものが存在する。水中でこれらの疎水性側鎖同士は、水との接触面積を減らすように互いに集まり、弱いながらも構造を安定化させる力となる。
疎水結合とヘアケア・美容との関連
- 毛髪の構造維持
ケラチン分子が特定の立体構造を保ち、毛髪の強度や形状を維持するのに、疎水結合が寄与していると考えられている。
- パーマや熱処理
これらの処理によって、疎水結合を含む様々な結合が一時的に変化し、新しい形状が固定される。
- ヘアケア製品
疎水性の油分や成分が、毛髪表面に吸着したり、内部に浸透したりする際にも、疎水的な相互作用が関与することがある。

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