リトル用語事典

SS_SH交換反応

2025年06月20日

SS/SH交換反応(エスエスエスエイチこうかんはんのう)

主にパーマの第1剤(還元剤)が毛髪内部のSS結合(シスチン結合)を切断する際の化学反応。
中性から弱酸性状態では、還元剤によりすでに切断されているSH基自身が還元剤として機能し、内部のSS結合を繋ぎ変えていく反応を指す。

具体的には、還元剤に含まれるSH基(チオール基)が、毛髪ケラチンのSS結合と反応し、新たなSH基と、元のSS結合が片方切断された状態(混合ジスルフィド)を生じさせる。この反応が連続的に起こることで、最終的にSS結合が二つのSH基に分解される。

反応の模式図で示すと以下のようになる。
1.還元剤のSH基(-SH)が毛髪のSS結合(-S-S-)と反応する。

Protein-S-S-Protein + R-SH → Protein-S-SR + Protein-SH

ここで、Protein は毛髪ケラチンの一部を表し、R は還元剤の残りの部分を表す。
Protein-S-SR は混合ジスルフィドである。

2.さらに別の還元剤のSH基がこの混合ジスルフィドと反応する。

Protein-S-SR + R'-SH → Protein-SH + R'-S-SR

または、別の混合ジスルフィドや、元のSS結合と反応することもある。

3.最終的には、SS結合が完全に切断され、二つのSH基になる。

Protein-S-S-Protein + 2 R-SH → 2 Protein-SH + R-S-S-R

このように、SS結合と還元剤のSH基が反応し、結合が交換されるように見えるため、「SS/SH交換反応」と呼ばれる。

この反応によって毛髪の架橋構造が一時的に緩み、美容師が髪をロッドに巻いて形状を変化させることが可能になる。その後、第2剤(酸化剤)によって、新たに生成されたSH基同士が酸化され、新しい位置でSS結合が再形成され、パーマのウェーブやカールが固定される。

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