SS/SH交換反応(えすえすえすえいちこうかんはんのう)
毛髪などのケラチンタンパク質において、ジスルフィド結合(SS結合)と、還元剤などが持つチオール基(-SH)が互いにアタックし合い、結合の相手を次々と入れ替える現象。
中性から弱酸性状態では、髪内部のSS結合のうち、還元剤によりすでに切断されているSH基自身が還元剤として働き、内部のSS結合を繋ぎ変えていく反応を指す。
パーマや縮毛矯正などの理美容施術において、髪の形状変化や、アイロン熱による内部応力の緩和(ストレート形状の安定化)をスムーズに行うための重要なメカニズムである。
施術中にこの反応が繰り返されることで分子運動が活発になり、無理のない再配列が可能になる。しかし、還元剤が過剰に残留したまま酸化(2剤処理)を行うと、不完全な結合(混合ジスルフィド)が形成され、髪の脆弱化やクセ戻りの原因となるので注意が必要である。
SS/SH交換反応は具体的には、還元剤に含まれるSH基(チオール基)が、毛髪ケラチンのSS結合と反応し、新たなSH基と、元のSS結合が片方切断された状態(混合ジスルフィド)を生じさせる。この反応が連続的に起こることで、最終的にSS結合が二つのSH基に分解される。
反応の模式図で示すと以下のようになる。
1.還元剤のSH基(-SH)が毛髪のSS結合(-S-S-)と反応する。
Protein-S-S-Protein + R-SH → Protein-S-SR + Protein-SH
ここで、Protein は毛髪ケラチンの一部を表し、R は還元剤の残りの部分を表す。
Protein-S-SR は混合ジスルフィドである。
2.さらに別の還元剤のSH基がこの混合ジスルフィドと反応する。
Protein-S-SR + R'-SH → Protein-SH + R'-S-SR
または、別の混合ジスルフィドや、元のSS結合と反応することもある。
3.最終的には、SS結合が完全に切断され、二つのSH基になる。
Protein-S-S-Protein + 2 R-SH → 2 Protein-SH + R-S-S-R
このように、SS結合と還元剤のSH基が反応し、結合が交換されるように見えるため、「SS/SH交換反応」と呼ばれる。
この反応によって毛髪の架橋構造が一時的に緩み、美容師が髪をロッドに巻いて形状を変化させることが可能になる。その後、第2剤(酸化剤)によって、新たに生成されたSH基同士が酸化され、新しい位置でSS結合が再形成され、パーマのウェーブやカールが固定される。
ご質問はこちら
ログイン、もしくは会員登録いただくと、質問できます。