過剰酸化(かじょうさんか)
主にヘアカラーやパーマの施術において、酸化反応が必要以上に進行してしまう状態を指す。
過酸化水素の2剤は塗布時に髪のpHが9〜10近くになっている場合に、過剰に活性酸素が発生して発熱する。この状態の活性酸素が2剤の機能であるS-S再結合は行わず、SS結合(ジスルフィド結合)をシステイン酸にまで酸化してしまうことを特に過剰酸化と呼ぶ。
ヘアカラーにおける過剰酸化
- メラニンの過剰な脱色
カラー剤に含まれる過酸化水素が、メラニン色素を必要以上に分解してしまうことで、希望の色よりも明るくなりすぎたり、パサついた質感になったりする原因となる。
- 染料の分解
発色した染料がさらに酸化されてしまい、本来の色味が出なくなったり、褪色が早まったりすることがある。
- 毛髪へのダメージ
過度な酸化は、毛髪のタンパク質(ケラチン)を損傷させ、キューティクルの剥離、乾燥、ゴワつき、切れ毛などのダメージを引き起こす可能性がある。
パーマにおける過剰酸化
- ウェーブの過剰な固定
2剤(酸化剤)の反応が強すぎたり、放置時間が長すぎたりすると、ウェーブが硬くなりすぎたり、不自然な仕上がりになったりすることがある。
- 毛髪へのダメージ
過度な酸化は、パーマによるダメージを増幅させる可能性がある。
過剰酸化が起こる原因
- 薬剤の選定ミス(強すぎる薬剤の使用)
- 放置時間の誤り(長すぎる放置時間)
- 髪の状態の見極め不足(ダメージレベルの高い髪への強すぎる施術)
対策
- 髪質や状態に合わせた適切な薬剤の選定
- 正しい放置時間の厳守
- 必要に応じた前処理や後処理(酸化抑制剤の使用など)
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