リトル用語事典

結晶性ケラチンタンパク質

2025年06月20日

結晶性ケラチンタンパク質(けっしょうせいケラチンタンパクしつ)

毛髪を構成するケラチンタンパク質のうち、規則的な構造を持つ部分を指す。
毛髪の主成分であるケラチンは、完全に均一な構造をしているわけではない。主に、α-ヘリックス構造が規則的に配列し、束状になったフィブリルと呼ばれる部分が、結晶性の高い領域と考えられている。このフィブリルが、毛髪の強度や弾力性といった物理的な特性を支える主要な役割を担っている。

結晶性ケラチンタンパク質の特徴

  • 規則的な構造

主にα-ヘリックス構造が規則的に配列している。

  • 高い密度

分子が密に詰まっているため、比較的硬く、強度が高いである。

  • 物理的特性への寄与

髪のハリ、コシ、強度、形状維持(わずかながら)に関与しる。

ヘアケア・美容との関連

  • ダメージの影響

パーマやカラーなどの化学処理、熱、物理的な力によって、この結晶構造が乱れると、髪の強度が低下したり、弾力が失われたりする。これが「結晶構造の乱れ」として認識される。

  • 補修のターゲット

ヘアケア製品による補修は、この結晶構造の乱れを整え、タンパク質を補給することで、髪の強度や質感を回復させることを目指す。

  • 形状記憶

熱を利用したスタイリングやパーマでは、この結晶性部分の構造変化が、髪の形状記憶に関わると考えられている。
対照的に、ケラチンタンパク質の中には、規則的な構造を持たない非結晶性の部分(主にγ-ケラチンが構成するマトリックス)も存在し、こちらは柔軟性などに関わるとされている。

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