結晶構造の乱れ(けっしょうこうぞうのみだれ)
主に毛髪の主成分であるケラチンタンパク質の規則的な分子配列(結晶構造)が、様々な要因によって崩れてしまう状態を指す。
毛髪のコルテックスは、ケラチンという繊維状のタンパク質が規則正しく配列した結晶構造(主にα-ヘリックス構造が束になったフィブリル)を持っている。この規則的な構造が、髪の強度や弾力性を支えている。還元剤やアルカリ剤により髪の内部にダメージが起こり、結晶構造が乱れる。
結晶構造の乱れを引き起こす主な要因
- 物理的ダメージ
強いブラッシング、摩擦、引っ張りなど。
- 化学的ダメージ
パーマ液、カラー剤などの薬剤による影響。これらの薬剤は、ケラチンの結合を切断したり、タンパク質を変性させたりする。
- 熱ダメージ
ドライヤーやヘアアイロンの過度な使用によるタンパク質の変性。
- 紫外線ダメージ
ケラチンタンパク質の分解。
結晶構造の乱れによって起こる影響
- 強度の低下
髪が切れやすくなる、もろくなる。
- 弾力の低下
髪のコシがなくなり、へたりやすくなる。
- 保水力の低下
内部構造が乱れることで、水分を保持する能力が低下し、乾燥しやすくなる。
- ツヤの低下
表面の乱れにより、光が均一に反射しにくくなり、ツヤが失われる。
- パーマやカラーの持ちの悪化
薬剤の作用が均一に働きにくくなるため、仕上がりが不安定になったり、効果が持続しにくくなったりする。
ヘアケア
結晶構造の乱れを補修するためのヘアケアとしては、以下のようなアプローチがありる。
- タンパク質の補給
ケラチンPPTなどのタンパク質成分を補給し、内部構造を補強する。
- 結合の再構築
ダメージによって切断された結合を擬似的に再構築する成分を使用する。
- 外部からの保護
キューティクルを補修し、外部からの刺激を軽減する。
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