一次膨潤(いちじぼうじゅん)
主に毛髪が水やアルカリ性の薬剤を吸収して膨らむ現象を指す。パーマやヘアカラーなどの施術の前処理として、毛髪を膨潤させることで薬剤の浸透を促進する目的で行われる。
一次膨潤のメカニズム
毛髪の主成分であるケラチンタンパク質は、シスチン結合などの架橋構造によって強固な構造を保っている。
1.水の吸収
毛髪が水に触れると、ケラチンタンパク質の親水性の部分が水を吸収し、分子間の距離が広がる。これにより、毛髪が体積として膨らむ。
2.アルカリ剤の影響
パーマ液やカラー剤に含まれるアルカリ剤は、毛髪のキューティクルを開き、内部への薬剤の浸透を助ける。同時に、ケラチンタンパク質のシスチン結合の一部を切断する作用もあり、これがさらに膨潤を促進する。
一次膨潤の目的
- 薬剤浸透の促進
毛髪を膨潤させることで、パーマ液やカラー剤の有効成分が毛髪内部に浸透しやすくなり、施術の効果を高める。
- 施術の効率化
薬剤の反応を促進することで、施術時間の短縮につながることがある。
注意点
過度な膨潤は、毛髪への負担となり、ダメージの原因となることがある。そのため、薬剤の濃度や放置時間などを適切に管理することが重要である。
関連する用語
- 二次膨潤
一次膨潤の後、さらに薬剤が浸透し、毛髪内部の構造が変化する段階を指す。
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