ガラス転移温度(ガラスてんいおんど)・ガラス転移点(ガラスてんいてん)
高分子物質(ヘアケアの場合は主に毛髪の主成分であるケラチンや、ヘアケア剤に含まれるポリマーなど)が、硬くガラスのような状態から、より柔軟なゴムのような状態へと変化する温度のことである。物質によりその温度は異なる。英語では Glass Transition Temperature (Tg) と表記される。
物質が液体から固体に変化する際には、通常結晶化するが、高分子物質の中には、冷却されても結晶化せずにガラス状態(非晶質)で固まるものがある。ガラス転移温度は、このガラス状態とゴム状態の中間の温度域で起こる現象である。
ヘアケア・美容との関連性
毛髪の主成分であるケラチンも高分子タンパク質であり、ガラス転移を起こす。毛髪の状態や施術において、ガラス転移温度は以下のように関わっている。
- ヘアアイロンや熱処理
ヘアアイロンなどによる熱処理は、毛髪のケラチンのガラス転移温度以上に加熱することで、髪を柔らかくして形状を変化させやすくする。その後、冷却することで新しい形状を固定する。
乾燥した状態のケラチンのガラス転移温度は約 110℃〜150℃ 程度と言われている。
水分量によってガラス転移温度は変化し、水分が多いほど低温で変化しやすくなる。
- トリートメントの浸透
一部のトリートメント技術では、熱を利用して毛髪のガラス転移を起こし、補修成分を髪の内部に浸透させやすくする、という考え方がある。
- スタイリング スタイリング剤に含まれるポリマーなどもガラス転移温度を持ち、その温度変化によってスタイリング力の変化などが起こる。
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