表皮(ひょうひ)
皮膚の最も外側に位置する層であり、内部の真皮や皮下組織を保護する役割を持つ。厚さ約0.2mmの薄い膜で、血管やリンパ管は通っておらず、外部からの異物の侵入や体内の水分の蒸発を防ぐバリアとして体内部を保護する。基底層で生まれた細胞が徐々に形を変えながら表面へと押し上げられていき、一般的に角質層・顆粒層・有棘層・基底層の4層で構成される。
表皮の主な構造(外側から内側へ)
- 角質層(かくしつそう)
最も外側の層で、角化した細胞がレンガのように積み重なり、皮膚のバリア機能を担う。
- 透明層(とうめいそう)
角質層の下に存在する薄い透明な層(手のひらや足の裏など、厚い表皮にのみ存在する)。
- 顆粒層(かりゅうそう)
細胞内に顆粒を持ち、角質層を形成するための物質を作り出す。
- 有棘層(ゆうきょくそう)
細胞同士が棘状の突起で結合し、表皮の強度を保つ。
- 基底層(きていそう)
最下層で、細胞分裂が盛んに行われ、新しい表皮細胞を生み出す。メラニン色素を作るメラノサイトも存在する。
表皮の主な役割
- バリア機能
外部からの刺激(紫外線、乾燥、細菌など)から内部を守る。
- 水分の保持
体内の水分が蒸発するのを防ぐ。
- メラニン生成
紫外線から皮膚を守るメラニン色素を生成する。
- 感覚機能
触覚や痛覚などの感覚受容体の一部が存在する。

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