マクロフィブリル間マトリックス(マクロフィブリルかんマトリックス)
毛髪のコルテックスの内部構造において、マクロフィブリルとマクロフィブリルの間に存在する物質のこと。
マイクロフィブリル:ケラチン分子の束
マクロフィブリル:マイクロフィブリルの束
コルテックス細胞:マクロフィブリルが詰まった細胞
このマクロフィブリルの間を埋めているのが、マクロフィブリル間マトリックスである。
ケラチンが作られた際の廃材を貯める役割を担っているためS-S結合が少なく、柔らかくて吸水的な性質を持つ。
非ケラチンタンパク質からなり、CMCとともに髪の水分を11〜14%に保つ役割がある。
アルカリによる膨潤はマクロフィブリル間マトリックスで起こっている。
マクロフィブリル間マトリックスの主な成分
- 非結晶性ケラチンタンパク質(マトリックスケラチン)
結晶構造を持たない、比較的柔らかい性質のケラチン。
- CMC(細胞膜複合体)
キューティクルやコルテックス細胞間の接着に関わる脂質とタンパク質の複合体の一部が、このマトリックスにも存在する。
- メラニン色素
髪の色を決定するメラニン色素も、主にこのマトリックスに存在する。
- NMF(天然保湿因子)
水分保持に関わる成分も含まれている。
マクロフィブリル間マトリックスの主な役割
- マクロフィブリル同士の接着
マクロフィブリルを繋ぎ、コルテックス全体の構造を安定化させる。
- 柔軟性と弾力性の付与
硬い繊維状のマクロフィブリルに対し、マトリックスは柔らかいため、髪にしなやかさや弾力性を与える。
- 薬剤の通り道
パーマやカラーなどの薬剤は、主にこのマトリックスを通って毛髪内部に浸透し、反応を起こす。
- 水分保持
NMFなどを含むため、髪の水分バランスに関わる。

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