リトル用語事典

コルテックス

2025年06月20日

コルテックス

毛髪の構造において、キューティクルの内側に位置する主要な部分である。毛髪の大部分を占めており、髪の太さ、強度、色、そしてパーマなどの化学処理に大きく関わっている。日本語では「毛皮質(もうひしつ)」とも呼ばれる。
マクロフィブリル、メラニン、マクロフィブリル間マトリックスからなる。毛髪の約80%を占め、繊維状のマクロフィブリル間をCMCが占めている。キューティクルの内側にあり、紡錘形で縦方向に規則正しく並んでいる。コルテックスの状態によって毛髪の強度や髪色が決まる。髪色を決定するメラニン色素と毛髪内の水分を一定に保つNMF(天然保湿因子)を保持する。

コルテックスの主な特徴と構造

  • ケラチン繊維

主にケラチンというタンパク質が、細長い繊維状の構造(コルテックス細胞)として束状に密に詰まっている。このケラチン繊維の配列方向が、直毛やくせ毛といった髪の形状に影響を与える。

  • メラニン色素

髪の色を決めるメラニン色素(ユーメラニン黒〜褐色、フェオメラニン黄色〜赤色)はこのコルテックスに存在する。

  • 間充物質(マトリックス)

ケラチン繊維の間を埋めるように存在する、非繊維性のケラチンタンパク質や脂質などの物質である。水分保持や薬剤の浸透に関わる。

  • シスチン結合

コルテックス内のケラチン繊維同士は、SS結合(シスチン結合)という化学結合によって架橋されており、これが髪の強度や弾力性を支える重要な要素である。パーマや縮毛矯正はこのシスチン結合を操作することで、髪の形状を変化させる。

ヘアケア・美容との関連

  • パーマと縮毛矯正

これらの施術は、コルテックス内のシスチン結合を薬剤で切断し、新しい形状に再結合させることで行われる。

  • ヘアカラー

カラー剤はキューティクルを通過し、コルテックス内のメラニン色素に作用して髪の色を変化させる。
ダメージ 化学処理や熱などによるダメージは、コルテックスのタンパク質を変性させたり、シスチン結合を切断したり、間充物質を流出させたりすることで、髪の強度低下やパサつきにつながる。

  • ヘアケア製品

トリートメントなどのヘアケア製品は、コルテックスに浸透してタンパク質や水分を補給し、ダメージを補修することを目的としたものがある。

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