キューティクル
毛髪の最も外側を覆っている、うろこ状の透明な薄い膜のこと。屋根瓦のように重なり合っており、髪の内部を保護する非常に重要な役割を担っている。厚さ0.5~1.0㎛程のうろこ状で、毛先に向かって先のキューティクルの上になるように、一般的には5~8枚重なっている。毛髪全体の約15%を占める。キューティクルには、皮脂を毛先まで運んで回復させる自己回復能力がある。
キューティクルの構造と特徴
- 鱗状の層
主に5〜8層の薄い細胞が重なり合ってできている。
- 主成分はケラチン
硬いタンパク質であるケラチンで構成されている。
- 疎水性
健康なキューティクルは、水をはじく性質(疎水性)を持っている。
- pHによって開閉
酸性の状態では閉じ、アルカリ性の状態では開く性質がある。
キューティクルの主な役割
- 内部保護
外部の刺激(摩擦、紫外線、乾燥、化学物質など)から毛髪内部(コルテックス)を守る。
- 水分保持
毛髪内部の水分が失われるのを防ぎ、潤いを保つ。
- ツヤの維持
表面が滑らかであるほど光を均一に反射し、髪にツヤを与える。
- 手触りの良さ
キューティクルが整っていると、髪の表面が滑らかになり、指通りが良くなる。
ヘアケア・美容との関連
- ダメージ
パーマ、カラー、ドライヤーの熱、ブラッシングなどによって、キューティクルは剥がれたり、損傷したりしやすくなる。キューティクルが傷つくと、内部の水分やタンパク質が流出しやすくなり、パサつき、ゴワつき、切れ毛などの原因となる。
- ヘアケア製品
トリートメントやコンディショナーは、剥がれたキューティクルを補修したり、表面をコーティングして保護したりする効果がある。酸性のリンスは、開いたキューティクルを閉じる働きがある。
- 施術
美容師は、パーマやカラーの薬剤がキューティクルを通過して内部に作用することを考慮して施術を行う。


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