イオン結合(イオンけつごう)
イオン結合とは、プラスの電荷を持つ原子や分子と、マイナスの電荷を持つ原子や分子との間の静電気的な引力によって形成される結合のことである。塩結合ともいう。
毛髪の構造においては、タンパク質(ケラチン)を構成するアミノ酸の側鎖に存在する、酸性基(カルボキシル基:-COOH)と塩基性基(アミノ基:-NH2)の間で形成されるイオン結合(NH3⊕…⊖OOC結合)のことである。
等電点をはずれると切断され、等電点に戻ると再結合する。等電点の時の結合が最も強い。また、アルカリで髪が膨潤するのは塩結合が切れるためである。
毛髪におけるイオン結合
ケラチンタンパク質を構成するアミノ酸の中には、側鎖に酸性基(負の電荷を帯びやすい)や塩基性基(正の電荷を帯びやすい)を持つものがある。
これらの基の間で、pHに応じてイオン結合が形成されたり、切れたりする。
例えば、酸性のpH環境下では、アミノ基がプロトン化されて正の電荷を帯びやすくなり、カルボキシル基が負の電荷を帯びた状態とイオン結合を形成することがある。
イオン結合は、水素結合やファンデルワールス力といった他の弱い結合とともに、毛髪の構造を一時的に安定化させる役割を担っている。

ご質問はこちら
ログイン、もしくは会員登録いただくと、質問できます。