■クリープパーマ③■
リトル美容専門学校 18限目 クリープパーマ③
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では授業に入っていきます!
前回の授業では、クリープパーマの「熟成」について勉強しました。
今回の授業では、クリープパーマの「収れんと再結合」について勉強します!!
髪の細胞であるコルテックスは、「マクロフィブリル」と「マクロフィブリル間マトリックス」からできています。
この2箇所は、膨潤と軟化に大きく関わる場所です。
マクロフィブリルではケラチンが作られ、S-S結合が多いため疎水的で硬いことが特徴です。
還元剤による軟化はこの場所で起こり、ケラチンのS-S結合が切断されます。
それに対して、マクロフィブリルの周りを囲っているのがマクロフィブリル間マトリックスです。
これは、ケラチンが作られた際の廃材をためる役割を担っているため、S-S結合が少なく、柔らかくて吸水的な性質を持っています。
アルカリによる膨潤は、マクロフィブリル間マトリックスで起こっているのです!!
普通毛や硬毛では、ケラチンからなるマクロフィブリルが多く(硬毛では90%)、
ケラチンではないマクロフィブリル間マトリックスが少ない(硬毛では10%)ために、
1剤中のアルカリ剤により1次膨潤しにくいことが特徴です。
したがって、還元剤が浸透してS-S結合が切断されると軟化が始まるので、
ロッドに巻くことで切断されたS-S結合の位置が大きくずれた時点でテストカールがOKとなり、
2剤による再結合時にはズレた状態で固定されるため、軟毛より容易に期待通りのウェーブがかけられます。
それに対し、軟毛の場合は、マクロフィブリル間マトリックスが多い(~50%)ために、
1剤に含まれるアルカリ剤により1次膨潤しやすいことが特徴です。
したがって、還元剤が浸透してS-S結合が切断されるときにはすでに、
ロッドに巻いた張力を吸収した状態で軟化が始まります。
そのため、切断されたS-S結合の位置がほとんどズレなくてもテストカールOKになり、
2剤による再結合時にはズレないもともとの状態で固定されてしまうのです。
なので、術後に乾燥させると多くの水を吸っていたマクロフィブリル間マトリックスの部分が収縮してウェーブがなくなってしまいます。
これを防ぐためには、2剤で酸化を行う前にマクロフィブリル内部で切断されたS-S結合をズラす必要があります。
そのために、吸水したマクロフィブリル間マトリックスを、クリープ期の後に乾燥させ、
ポリフェノールを髪につけて酸性にすることで収れんさせます。
そして、ロッドに固定されている状態でマクロフィブリル間マトリックスの水分を除き、外側からの収縮力とロッドによる内側からの伸長力を利用して、
マクロフィブリルの内部で切断されたS-S結合をズラしてから、2剤によって固定します。
この場合、軟毛はもともと吸水力が高いので、クリープ期で疎水型PPTを髪に浸透させておき、
結晶構造の乱れを元に戻しておくとウェーブの安定につながります。
ここまででクリープパーマは終わりです。
クリープパーマの特徴を理解できましたか?
①均等な軟化を行う
②中間水洗後にマクロやミクロの歪みを解消させる
③乾燥、収れんを利用してミクロフィブリルのS-S結合を移動させてから再結合させる
以上がクリープパーマの特徴です!
次回からはストレートパーマを勉強します