Q.先日いらっしゃったお客様について、相談したいことがあります。
お客様の情報
縮毛矯正を2~3回、カラーも同じようにされています。
髪質は、非常にクセが強く、3~4㎝クセが根元から伸びてきています。
普段、頻繁にアイロンを使用しているそうです。そのせいなのか、同時にダメージもひどく、芯がなくなっているような感じです。
このようなお客様がいらっしゃったんですが、その時にパーマ・カラーをしたいとのことで、しかもトリートメントなしで…(金銭的問題で)
その日は時間的問題からパーマだけで、結果は案の定かからず、だれたような感じになってしまい。
明日、パーマのかけ直しとカラーをしにもう一度来店されます。
その時は、トリートメントもして頂けることになったのですが、野村先生ならこの状態をどのように施術しますでしょうか?
ご意見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
A.縮毛矯正とカラーの2~3回の繰り返しのわりには相当なダメージみたいですね。
芯がないほどのダメージだと髪が溶けてしまうのが心配ですね。
参考になればいいのですが、このような場合に理論としてどう考えるのかを書いてみましょう。
パーマはシステアミンが良いでしょう。縮毛矯正はシスによるダメージですからシスではもう切れるS-Sがないかもしれません。芯がないというのは心配ですが、もし切れるS-Sが残っているのであればシステアミンでしか切れないと思います。また、システアミンのあとはカラーが落ちにくくなります。
カラーは何度もヘアカラーしている髪であれば明るくなっていると思いますので、ダメージを考えると色を乗せるだけにします。シャンプー台でトリートメントのように付けることができるような粘度調整と添加剤に、ウエーブをもたせるためにキトサン誘導体をミックスする方法を使います。
トリートメントは後でオイル系を用いると重さでウエーブがだれてしまうことと、ダメージした髪からは色が落ちやすくなることから前処理が良いでしょう。
PPTとトリートメントの前処理で水の路、脂の路を整えます。
以上のことを頭において施術を設計します。今からここに書くことは机上のプランですので、ご自身のプロの目で現場に即した方法に手直ししてくださいね。
最初に根元の新生部と既染部のトーンを合わせておくことが必要です。
①トイシャンを2シャン。PPTを入れやすくするためにタオルドライ後にドライヤーで軽く乾かす。
②芯のないようなダメージなので、保湿PPTであるしっとりシード5倍希釈を中間~毛先に軽く湿るほど、コーミングで均一にする。圧縮蒸気があれば加温。
③ダメージ保護のために3種混合3倍希釈を全体に塗布し、コーミングし、圧縮蒸気があれば加温。毛先は手のひらで包みながら揉みこむ。
④トイトリを全体につけて遠赤ラップ加温10分、次いで特トリをダメージの多い中間~毛先に軽くつけて揉みこみながら、ネチャ感が出てから5分放置。
⑤軽くお流し、タオルドライ、ドライヤーで軽く乾燥。
⑥いきいきシード5倍希釈を軽く全体に塗布し、コーミングで均一にする。泡状にできるポンプ容器があればベスト。軽く染み込む程度でベタベタにつけすぎないように注意。
⑦ソニルCAでつけ巻き。ロットは2段階落とす。結構ダメージの高い髪なので軟化時間には注意。
⑧中間水洗はしっかりと。髪に還元剤を残さないような気持ちで。ソニルは粘度のあるクリームタイプなので、流しが悪いと2剤の浸透が悪くなるためにダレる原因になるので。水気をタオルでよく切り、いきいき+ヘマヘマ液(10倍希釈のいきいきにヘマヘマをお茶の色くらい加えたもの)を髪に染み込ませる。ドライヤーで軽く水分を飛ばす程度に加温するとPPTが染み込みやすい。完全ドライしてはダメ。
⑨2剤は過酸化水素を使う。過酸化水素の場合は酸リンスは使用しない。1.5%過酸化水素で5分2度付け、ロッドをはずしてからシャンプー台でさらにスプレーで塗布する。
⑩ここは考えてほしいところですが、弱酸性のカラー1剤に特トリを少量(1/10量)、マネージャーの裏技オイルを少量(1プッシュ)、トリートメントやコンディショナーで適度に粘度をゆるくしたものに3%の2剤を加えて、弱酸性カラートリートメントを作る。(これは実験してくださいね。)
⑪シャンプー台でロッドを外した髪にトリートメントをするように⑩のカラーをつけて揉みこむ。
⑫発色までウエーブが伸びないように工夫があればいいと思う。ラップとかアルミで覆うとか。
⑬キトキト10倍希釈液で乳化(チェンジリンス)
⑭お流し
⑮トイシャン、トイトリ
⑯キトサン15倍希釈液をスプレーし、ドライヤーで毛先から乾燥する。仕上げ
色々と検討すべき課題はありそうですが、1つのアイディアとしてご利用ください。
皆さんのアイディアや成功例も教えてくださいね。