ジアミンアレルギ-(じあみんあれるぎー)
酸化染毛剤に含まれるジアミン成分に対し、身体の免疫システムが過剰に反応することで生じる遅延型のアレルギー疾患。一度発症すると感作(抗体形成)された体質は変わらず、微量の接触でも次回以降に強い拒絶反応が現れる。
主な症状は頭皮や首周りのかゆみ、赤み、腫れであり、重症化すると水ぶくれやただれ、あるいは呼吸困難や意識障害を伴うアナフィラキシーショックに至る危険性がある。施術を繰り返すことで体内に成分が蓄積され、突然発症することも多い。
理美容の現場において、最も頻度が高く、かつ深刻な肌トラブルにつながる危険性があるため、正しい知識と警戒が必要なアレルギーである。
1. なぜ起こるのか(発症のメカニズム)
ジアミンは、少ない量で髪をしっかりと濃く染め上げ、色持ちを良くするために欠かせない優れた成分である。しかしその反面、「高い感作性(アレルギーを引き起こしやすい性質)」を持っている。
「これまで何年も問題なく染められていたから大丈夫」と思っていても、カラーを繰り返すたびに頭皮からジアミンが蓄積され、体内の免疫細胞がそれを「敵」と見なした瞬間(感作の成立)、ある日突然アレルギーを発症する。
ジアミンアレルギーは、カラーの施術中や直後は何ともないことがほとんど。一般的には施術後から半日〜翌日、翌々日(24〜48時間後)にかけて症状がピークに達するというタイムラグ(時間差)がある。
2. 主な症状
一度アレルギーが発症すると、以下のような強い症状が主に「髪の生え際」「頭皮」「耳の後ろ」「まぶた」などに現れる。
頭皮や生え際の激しいかゆみ・赤み(紅斑)、皮膚の腫れ・ブツブツ(丘疹)や水ぶくれ、顔全体の腫れ(特に皮膚の薄い上まぶたや額が強く腫れ上がり、目が開けられなくなるケースもある)、ただれ(滲出液)などの症状が現れる。
さらに、かゆみなどの初期症状を無視してジアミンカラーを使い続けると、アレルギー反応が徐々に重篤化する。最悪の場合、血圧低下や呼吸困難などを引き起こす「アナフィラキシーショック」という命に関わる急性症状を招く恐れがある。
3. 一度発症したらどうするべきか
二度と通常のヘアカラー(ジアミン配合)は使えない。一度ジアミンアレルギーになると、人間の免疫システムの記憶はリセットされないため、生涯にわたって体質が変わることはない。次に使用したときは、前回よりもさらに激しい症状に見舞われるため、ジアミンが含まれる酸化染毛剤の使用は完全に中止しなければならない。
症状が出た場合は、決して自己判断で放置したり市販薬で済ませたりせず、速やかに皮膚科を受診すること。
4. ジアミンアレルギーの人が髪を染めるための代替案
髪を染めたいけれどジアミンが使えない場合は、ジアミンを一切含まない以下のような代替メニューを選ぶ必要がある。
・ヘアマニキュア(酸性カラー)
髪の表面に染料をコーティングするタイプ。地肌につけないように塗布するため、アレルギーのリスクが非常に低い。
・ノンジアミンカラー(ジアミンフリーカラー)
ジアミン以外の染料(非ジアミン系染料)で作られたヘアカラー。ただし、別の成分に反応する可能性はあるため、事前の確認が必要。
・天然ヘナ・ヘナカラー
植物(ヘンナ)の葉を粉末にした天然の染料。ただし、「化学染料入りのヘナ」にはジアミンが含まれている場合があるため、必ず「100%天然ヘナ」を選ぶ必要がある。
・カラーシャンプー・カラートリートメント
自宅で手軽に使え、頭皮への負担が少ないマイルドな染料(塩基性染料・HC染料)が主流。
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