髪の結晶構造(かみのけっしょうこうぞう)
毛髪の主成分であるケラチンタンパク質の分子レベルでの規則的な配列を指す。
毛髪の大部分を占めるコルテックス(毛皮質)は、ケラチンという繊維状のタンパク質でできている。このケラチンをさらに細かく見ると、らせん状のα-ヘリックス構造を持つポリペプチド鎖が複数集まって、より大きな構造を形成している。
髪の結晶構造のポイント
- α-ヘリックス
ケラチンの基本的な構造単位であり、アミノ酸がらせん状に配列している。
- フィブリル
複数のα-ヘリックスが束ねられたものである。
- マクロフィブリル
多数のフィブリルがさらに集まって形成される。
これらの構造が規則正しく配列している部分が、結晶構造として捉えられる。一方、ケラチンの中には、規則的な構造を持たない非結晶性の部分(マトリックス)も存在する。
髪の結晶構造と性質
- 強度と弾力性
結晶構造の規則性は、髪の強度や弾力性を支える要因の一つと考えられている。
- 化学反応性
パーマやカラーなどの化学処理は、このケラチンの結晶構造に影響を与え、髪の形状や色を変化させる。ダメージによって結晶構造が乱れることもある。
- 水分との関係
ケラチンは水分を吸収する性質があり、水分量によって結晶構造がわずかに変化することがある。
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