混合ジスルフィド結合(こんごうジスルフィドけつごう)
異なる種類のチオール基(-SH)同士が酸化によって形成するSS結合(ジスルフィド結合)のこと。
通常のジスルフィド結合は、同じ種類のチオール基同士が結合したものであるが、混合ジスルフィド結合は、例えば毛髪ケラチンのシステイン残基のチオール基と、パーマ液の還元剤に含まれるチオール化合物のチオール基が結合したような状態を指す。オーバータイム期になると髪と還元剤のシステインによる異常なS-S結合が増加する。
パーマにおける混合ジスルフィド結合
パーマの第1剤(還元剤)が毛髪のSS結合(シスチン結合、-S-S-)を切断する際、完全に二つのチオール基(-SHとHS-)に分解されるだけでなく、一時的に毛髪ケラチンのチオール基と還元剤のチオール基が結合した混合ジスルフィドが生成されることがある。
反応の模式図で示すと、以下のようになる。
Protein-S-S-Protein + R-SH → Protein-S-SR + Protein-SH
ここで、
Protein-S-S-Protein は毛髪ケラチンのシスチン結合
R-SH は還元剤のチオール基
Protein-S-SR が混合ジスルフィド結合(毛髪ケラチンと還元剤がS-S結合で繋がった状態)
Protein-SH は切断された毛髪ケラチンのチオール基
を指す。
この混合ジスルフィド結合は、パーマの工程において、シスチン結合が完全に切断されるまでの中間的な状態として存在する。最終的には、さらに還元剤が作用することで、S-SR の部分が切断され、毛髪ケラチンはチオール基(-SH)となり、還元剤は酸化された形(R-S-S-Rなど)になる。

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