アルカリ膨潤(アルカリぼうじゅん)
毛髪がアルカリ性の薬剤に触れることで、水分を吸収して膨張する現象を指す。
髪がpH5.5以上、特にアルカリ性になるとマイナスの電荷が多くなり、マイナス同士が反発して髪が膨潤する。
ヘアカラーやパーマの施術において、アルカリ剤は以下のような目的で使用される。
- キューティクルの開口
毛髪の表面を覆うキューティクルを開き、薬剤が内部に浸透しやすくなる。
- 毛髪内部のpH調整
薬剤が反応しやすいpH環境を整える。
このアルカリ剤の作用によって、毛髪は水分を吸収し、体積が増加する。これが「アルカリ膨潤」である。
アルカリ膨潤の特徴とヘアケア・美容との関連
- 薬剤浸透の促進
適度なアルカリ膨潤は、カラー剤やパーマ剤の有効成分を毛髪内部に効率よく届けるために必要である。
- 毛髪への負担
しかし、過度なアルカリ膨潤は、毛髪のタンパク質を変性させたり、キューティクルを損傷させたりする原因となり、ダメージにつながる可能性がある。
- 施術のコントロール
美容師は、髪質や状態に合わせてアルカリ剤の種類や濃度、放置時間を調整し、適切な膨潤状態をコントロールすることが重要である。
- 後処理の重要性
アルカリ膨潤後の毛髪は不安定な状態にあるため、酸性の薬剤でpHを中和したり、キューティクルを閉じる処理(アフターケア)が重要になる。

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