はじめに

ヘアカラーは日常的な施術となった一方で、
肌への影響、とくに頭皮トラブルやアレルギーの懸念は依然として見落とされがちなリスクです。
リトル・サイエンティストではヘアカラー施術後に起きているトラブルの実態について実態調査を行いました。

 

調査概要

 

対象者:女性  
サンプル数:2,000  
調査地域:全国  
調査方法:インターネット調査  
調査機関:Freeasy  
調査時期:2025年3月17日~2025年3月18日

トラブル経験の実態

調査では、ヘアカラー経験者の約3人に1人(33%)が頭皮トラブルを経験していることが明らかになりました。
日常的に行われているカラー施術のなかで、一定数のユーザーが“違和感”や“不快感”を感じている現実が浮き彫りとなった結果です。

特に症状は一過性で軽度なものが多いため、「気のせいかも」「よくあること」として見過ごされるケースが多く、その背景には「相談しづらさ」や「対応策の不透明さ」もあると考えられます。

トラブル自体は決して珍しいものではなく、今後の施術におけるカウンセリングやケア提案の質を問う重要なテーマとなっています。

クリックすると拡大表示されます
     

繰り返される軽度な頭皮トラブル

トラブルを経験した384名のうち、複数回答形式で具体的な症状を尋ねた結果、以下の傾向が明らかになりました。

ヘアカラー施術頻度が高い(1ヶ月~半年に1回程度)層に絞ってトラブル症状の傾向を分析したところ、最も多かったのは「かゆみ(50.3%)」で、続いて「ヒリつき(41.9%)」「赤み(22.7%)」が多く挙げられました。

このことから、定期的にカラーを行う顧客であっても軽度の頭皮トラブルを抱えているケースが多く、無自覚・無対処のまま繰り返されている可能性があるといえます。

トラブルの中には「赤み」「腫れ」といった明かな炎症に近い症状も一定数存在します。

これらの症状はジアミンアレルギーの初期兆候である可能性もあるため、一時的な反応と片付けず、適切な対応と情報提供が求められます。

クリックすると拡大表示されます
    

トラブルを感じても、多くの人がそのままにしている

ヘアカラー施術後に頭皮トラブルを感じた人のうち、最も多かったのは「気になっているが、何もしていない」(37.8%)という結果でした。  
さらに「気にしていない」(16.1%)を加えると、半数以上が対策を取らずに放置している実態が浮かび上がります。
一方で、「自宅ケア」(24.7%)や「サロンケア」(20.8%)を選んだ人も一定数存在しており、必要性に気付いた層は何らかの対処をしていることが読み取れます。
注目すべきは、「ノンジアミンカラー」や「カラーをやめる」といった根本的な見直しを選んだ人が少数である点。
このことからも、トラブルを感じつつも「仕方ないもの」として我慢している層が多いことが推察されます。

クリックすると拡大表示されます
  

ジアミンによるアレルギーの認知

調査の結果、酸化染毛剤に含まれる「ジアミン」について、ヘアカラーによる施術でのトラブルを感じた人の38.5%がジアミンによるアレルギーリスクを「知らなかった」と回答し、認知度の低さが浮き彫りになりました。

一方で「よく知っている」と回答した人は13.5%、「なんとなく知っている」と回答した人は28.4%と41.9%がジアミンやジアミンアレルギーについて認知をしていることがわかりました。

繰り返しのヘアカラー施術で突然反応が出るアレルゲンであるジアミンアレルギーは、一度アレルギーになるとカラー施術自体ができなくなる恐れもあります。 予防意識の啓発が今後の信頼構築において重要な鍵となるでしょう。

クリックすると拡大表示されます
    

価格意識から見る頭皮ケアメニューの可能性

トラブルを経験した層に対し、カラー後のアレルギーケアへの支払意向を調査した結果、約半数(55.7%)が「1,000円未満」までなら支払いたいと回答しました。
これは、「ちょっとしたオプションとしてなら受けてみたい」というライトなニーズが一定層に存在することを示しています。

一方で、「1,500円以上でも払いたい」層も1割強存在しており、ケアの効果や安定性がしっかり伝われば、 高単価メニューとしての成立可能性もあることが伺えます。

注目すべきは、「追加料金を払ってまでケアは不要」と回答した層が17.4%にのぼる点です。
この層は、トラブル経験があるにもかかわらず、「価格に見合う価値が感じられない」「そもそも必要性を感じていない」可能性が高く、今後は“なぜ必要か”を丁寧に伝える価値訴求の強化が求められます。

クリックすると拡大表示されます
  

調査からの考察

今回の調査から、ヘアカラー施術後に「かゆみ」「ヒリつき」「赤み」など、軽度ながらも不快感を覚える 頭皮トラブルが一定数発生していることが明らかになりました。

中でも、繰り返しのカラー施術によるリスクが指摘されている「ジアミン」に関しては、 認知度がわずか15%と低く、多くの方がその存在や影響を十分に理解していないことも浮き彫りになりました。トラブルを感じた方の半数以上が「何も対処していない」と回答した一方で、 約75%の方が「サロンでの頭皮ケアにお金を払ってでも取り入れたい」と考えており、『不安はあるけれど、どう行動すればいいかわからない』というギャップが顕在化しています。

こうした背景から、今後のサロン現場では、カラー施術後の頭皮環境に配慮したケアの重要性を、わかりやすく伝えるアプローチが求められます。

「ジアミンなどの残留成分に対するケア」という視点を新たなスタンダードとして提案し、お客様がより安心してカラーを楽しめる環境づくりをサポートしていくことが、今後の大きな価値となるでしょう。

     

カラー施術後の残留薬物を除去するために

リトルでは、こうした課題に応えるべく、ヘアカラー後の残留ジアミンを取り除き、ジアミンアレルギーの発症を予防するケア剤 【フィトジアネーゼ】を開発しました。

アルカリカラー剤に含まれるジアミンなど不要な残留物を、ヘアカラー後の シャンプーに【フィトジアネーゼ】を混ぜて洗い流すことで、「※頭皮トラブル予防」をし、美容師とお客様の双方にとって安心を届けるための新たなケアアイテムです。
※頭皮トラブルを完全に防ぐものではありません。