目的

ストレートパーマを繰り返し行った髪は、髪の中のSS結合がダメージによってシステイン酸やランチオニン結合に変化している為、パーマでウェーブを作ることが困難な状態になっている。このような髪に対して、活性ケラチンが配合されたパーマ剤でウェーブを作る方法を検討する。

実験方法

モデル

毎月白髪染めを行い、年に数回ストレートパーマをかけている髪(ダメージLV3、毛先3.5LV、普通毛)の40代女性に対して、施術を行った。

工程

STEP
シャンプー

トイトイトーイシャンプーで疎水シャンプーを行った。

POINT

髪の汚れを落としながら髪を疎水に近づけた。

STEP
タオルドライ、3種ミスト5倍塗布

しっかりタオルドライをして、ワクワクneo 3種混合原液:ワクワクneoミスト(1:4)を髪全体に塗布した。

POINT

これによって、疎水グラフトPPTによるダメージ予防、PPTの補給、薬剤の路づくりを行った。

STEP
特トリ塗布

ワクワクneo 特トリを揉み込みながら塗布した。

POINT

毛先のダメージ部のCMC補給の為

STEP
ワインディング、クリープS塗布、8分放置

水巻きでワインディングをし、ソニルクリープSをワインディングした箇所にまんべんなく塗布し、8分間放置した。

POINT

ソニルクリープSにはアミジノシステイニルケラチン(羽毛)が配合されており、髪のケラチン骨格を補強することができる。アミジノシステイニルケラチン(羽毛)は複数のSH基を有する為、活性ケラチンである。

STEP
テストカール、2分放置

その後テストカールを行い、さらに2分間放置した。

STEP
ヘマヘマ10倍塗布

水洗した後、ワクワクneo ヘマヘマ10倍を塗布した。

POINT

ヘマヘマに配合されているヘマチンの働きにより、髪に残留する還元剤を不活性化することができる。

STEP
タオルドライ、いきいきミスト5倍塗布

タオルドライをしっかり行い、髪にハリを出す目的でワクワクneo いきいき:ワクワクneoミスト(1:4)をワインディング部に塗布した。

STEP
クリープ

その後、クリープを10分間行った。

STEP
ポリK 10倍塗布

ワクワクneo ポリK10倍をワインディング部に塗布し、指の腹で揉み込みながら2分間放置した。

POINT

これによってダメージやアルカリで水を吸って膨潤してしまった髪をポリフェノールの収斂効果で髪を元の太さに戻した。

STEP
キトキト10倍塗布

ワクワクneo キトキト10倍をワインディング部に塗布し、指の腹で揉み込みながら2分間放置した。

POINT

髪のpHを酸性側に導いて髪を適度に引き締める為

STEP
BⅡローション塗布

ソニルBⅡローションをワインディング部にまんべんなく塗布して7分間放置した。再度ソニルBⅡローションを塗布し、7分間放置した。

POINT

SS結合を固定する為

STEP
シブミンEX 5倍塗布

その後、ロッドの上からワクワクの種 シブミンEX5倍をポンプフォーマーでワインディング部に塗布し、揉み込んだ。

POINT

ワクワクの種 シブミンEXにはカキタンニンとグルコン酸亜鉛が配合されている為、パーマの残臭を抑制することができる。

STEP
シブミンEX 5倍塗布

ロッドアウト後、ロッド形を壊さないように優しく、ワクワクの種 シブミンEX5倍を髪の中に入れ込むイメージで全体的に優しく揉み込んだ。

STEP
水洗、タオルドライ

STEP
ヘマヘマ10倍チェンジリンス、キトキト10倍チェンジリンス

ワクワクneo ヘマヘマ10倍、ワクワクneo キトキト10倍の順にチェンジリンスをした。

POINT

これにより、髪に残留する薬剤を除去した。

STEP
トイトイトーイ トリートメント塗布

軽く水気を絞り、トイトイトーイトリートメントを揉み込みながら塗布し、水洗した。

STEP
仕上げ

タオルドライ後、ガルバCMCケアエマルジョンを塗布し、ドライ、仕上げを行った。

結果

加齢やストレートパーマのダメージによりケラチン骨格が過疎化してパーマがかかりにくくなってしまった髪質でも、しっかりとした弾力のあるパーマをかけることができた。 さらに、2週間後のパーマのダレがなく、他のケミカル施術をしても問題のない髪質になった。

結論

※100%が健康毛の強度

ソニルクリープSに配合されているアミジノシステイニルケラチン(羽毛)は髪のケラチン骨格を補強して髪質改善することができる為、エイジング毛でもしっかりとしたパーマをかけることができた。 アミジノシステイニルケラチン(羽毛)はSS結合を介して髪の中に定着することができる為、髪質改善効果の持続性が高い。実際にソニルクリープSを使ってパーマをかけた髪の毛髪強度を測定してみたが(表1参照)、ブリーチを2回した毛束と比較して強度が約15%上昇していた。 一方で、アミジノシステイニルケラチン(羽毛)が配合されていないシステアミン系のパーマ剤を使ってパーマをかけると毛髪強度が落ちていた。 この結果から、ソニルクリープSを使うとパーマをかけることだけでなく、髪質改善効果で毛髪強度を回復させることができることが分かった。その為、ソニルクリープSを使ったサステナブルパーマの施術をすると、次回にヘアカラー等のケミカル施術をしても問題のないレベルまで髪力を改善することが分かった。

使用した粧剤