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美白成分いろいろ
血中から供給されたチロシンは、チロシナーゼという酸化酵素によってドーパからドーパキノンへと代謝されます。
ドーパキノンは化学的反応性が高いので、酵素の力を借りる事なく次々と反応していきます。
図のようにドーパクロムを経て、最終的には黒色のメラニンとなります。
美白剤として研究されている美白剤は、メラニンの生成を抑制する作用がある成分で、なかでも、メラノサイト中でメラニン生成にかかわる酵素チロシナーゼの働きをおさえる成分が多いです。
アルブチン、コウジ酸、エラグ酸、ルシノールやクワエキス、トウキエキス、ワレモコウエキスなどの植物抽出物がこれにあたり、おもにチロシナーゼの活性を阻害します。
アルブチンが、基質への競争阻害によりチロシナーゼ活性を阻害するのがおもな働きであるのに対し、コウジ酸やエラグ酸は、チロシナーゼが働くのに必要な銅を取り除く作用により美白効果を得ています。
さらに、ドーパキノンにシステインが存在すると、ドーパキノンはシステインと結合して、システィニルドーパに変化して、黄色メラニンが合成されます。
この黄色メラニンは、黒色メラニンと違ってしみの原因にはなりません。
チロシナーゼ活性を直接阻害せずに、メラニンの生成反応を抑制する成分としては、油溶性甘草エキス、ビタミンC誘導体などがあげられ、油溶性甘草エキスはチロシナーゼ関連タンパク質(ドーパクロムトートメラーゼ)の活性を抑制する作用が報告されています。
ビタミンC誘導体は、アスコルビン酸がドーパキノンからドーパクロムへの反応を抑制するほか、生成されたメラニンに作用して、有色の酸化型メラニンを無色の還元型メラニンに変える働きもあり、それらが複合して美白効果を上げていると考えられています。