アムラ

化粧品表示名称 アンマロク果実エキス
INCI名称 Phyllanthus Emblica Fruit Extract
原産国 インド

基本情報

アムラとはトウダイグサ科の落葉性の小高木で、「インドスグリ」とも呼ばれています。

サンスクリット語では「看護婦」との意味から「アーマラキー」、

英語で「インディアング―ズベリー」と表記されます。

アムラの果実は、3~4㎝の球形や卵形の小さな果実で、

収穫時は宝石のような透明感のある薄い黄緑色ですが、

乾燥すると黒色になります。

中には種が6個入っており、食べると強烈な酸っぱさの中に、苦みと渋みがあります。

アムラの木は高さ7~10mほどで、幹は細く、

葉は長さ約10mm、幅約2~3mmの長方形型をしていて、

4~5月に黄色の花を咲かせます。

アムラの活躍ぶり

インドの伝承医学アーユルヴェーダには三大果実と呼ばれるフルーツがあります。

それは、アムラ、ハリキター、ビビタキの3つです。

アムラは、キングオブアーユルヴェーダ・看護婦・若返りの果実と言われるほど

万能なスーパーフルーツで、食用、薬用、美容と様々な用途があります。

果実・種・葉・根・幹・花などほぼすべてが利用され、

最もよく利用される部分は果実でサプリメントや食品、お茶に用いられています。

原産国であるインドでは、熟した果実を生で食べることもありますが、

一般的には、酸味と苦味があるため、塩や油・スパイスとともにピクルスにしたり、

サラダやジャムにして食べられ重宝されています。

インドでは体調が悪い時、murabba(ムラッパ)という、

アムラの新鮮な果実を煮つめて砂糖につけ込んだ砂糖漬けを食べます。

また、南インドでは漬物として食べられることが多くあります。

アーユルヴェーダとしてのアムラの効能は、

  • 糖尿病
  • 肝機能障害
  • 貧血
  • 痛風
  • 動脈硬化
  • 様々な炎症
  • 眼病
  • 喘息
  • 骨粗しょう症
  • 便秘
  • 育毛剤

など多岐にわたるとされています。

アムラの実を一晩水に浸けたもので目を洗うと、目の疲れが早く回復するといわれ、

アムラの汁をはちみつと混ぜて毎日飲むと、視力回復を助け、

緑内障にも良いといわれています。

葉や樹皮・幹を染色剤としたり、

タンニンを多く含む未熟果実や樹皮を染色の色止めにしたりされています。

その他、肌や口腔内の洗浄や抗酸化作用を期待して

日焼け止めにも利用されています。

アムラに含まれる成分

アーユルヴェーダでは、食べ物の味を6種類

  • 甘味
  • 苦味
  • 酸味
  • 塩味
  • 渋味
  • 辛味

に分けますが、

アムラはそのうち「塩味」以外の5種類の味を持っている唯一の食べ物とされています。

これは、数多くの有効成分を持っているということですが、

その中でも

ポリフェノール(β-グルコガリン/ムチン酸ガレート)

ビタミンC

食物繊維(ペクチン)

が豊富に含まれているそうです。

ヘアケアとしてのアムラ

アーユルヴェーダでは、昔からヘアケアハーブとして用いられていたのが

  • リタ
  • シカカイ
  • アムラ

です。

リタ

天然の洗浄成分であるサポニンを豊富に含み、脂を分解する力が強いです。

シカカイ

天然の洗浄成分であるサポニンを含み、優しく洗い上げます。

アムラ

豊富なビタミンCをはじめ、その他のビタミン・ミネラル・鉄分など、

様々な成分を含んでいます。

髪にハリとコシを、地肌には潤いを与え、頭皮、毛髪をすこやかに保ちます。

上記のように、アムラはトリートメント効果を期待して併用されていたようです。

最近では、天然洗浄成分を好んで使う人もいるようで、

ヘナやシカカイにアムラを混ぜて髪を洗う人もいるようです。

使い続けると、髪にハリやコシが定着し、髪がしっかりとした感触が得られます。

アムラに含まれるポリフェノールたち

β‐グルコガリン(β-Glucogallin)

ムチン酸ガレート(Mucic acid 2-O-gallate)

この2つの成分は強い抗酸化力を有しています。

特にβ‐グルコガリンはタンニンの一種で、

ビタミンCであるアスコルビン酸を上回る強い抗酸化力を持ちます。

フリーラジカルを消去したり、活性酸素を吸収する能力に長けているなど、

研究が進められています。

研究情報の一例

アムラから抽出されたβ-グルコガリンが、

アルドース還元酵素(ALR2)を抑制することにより

糖尿病に誘発される白内障を抑制する

糖尿病尿毒症患者に3ヶ月間、

エピガロカテキン-3-ガレートとアムラの混合物を経口投与させた結果、

防御作用が認められました。

このことから、エピガロカテキン-3-ガレートとアムラの1:1の配合は、

糖尿病尿毒症に対して有効である可能性がわかった。

アムラ抽出エキスのアルカロイドは、

グラム陽性、陰性の病原菌に対して細胞毒性を有し、抗菌活性を有した。

このことからアルカノイド含有のアムラ果汁は生物学的な活性があることがわかった。

期待される効果

  • 酸化防止  (脂質含有製品へ応用)
  • スキンケア  (抗酸化:美白・エイジングケア・UV対策)
  • 消化器の保護作用
  • 白内障の抑制作用  (糖尿病対策)

こんなものに含まれています

  • スキンケア(化粧水・美容液・シートマスク・)
  • ヘアケア(シャンプー・コンディショナー・ヘアマスク)
  • ボディケア(ボディソープ・)

ヘアケアではアーユルヴェーダをコンセプトにした商品に、

スキンケアでは美白系のコンセプト商品に採用されているようです。

健康食品

  • 美容系ドリンク
  • サプリメント
  • 清涼飲料水(ビタミンC系)

大手化粧品会社のコラーゲン飲料や大手飲料メーカーのフルーツ炭酸飲料にも含まれています。

アムラを配合した商品