アスタキサンチンの化学構造
以前の記事でも構造式を記させていただきましたが、
よぉーーーーく見てみると
共役二重結合の数がカロテノイドの中では最も多い13個、
両末端環にケト基と水酸基を有し、非常にユニークな構造をしていますね。
比較のために、同じカロテノイドである
ベータカロテン・リコペン・ルテインの構造も載せておくので、チェックしてみてください。
アスタキサンチン
ベータカロテン
リコペン
ルテイン
アスタキサンチンの語源はロブスター?
アスタキサンチンを最初に発見したのは、ノーベル化学賞を受賞した
生化学者リヒャルト・クーン(Richard Kuhn、1900年12月3日~1967年8月1日)博士です。
博士らは、1938年にロブスターの甲羅と卵から赤い色素を発見しました。
カロテノイドはカロテンとキサントフィルに分類されますが、
アスタキサンチンはキサントフィルに属していたので、
ロブスターの属名Astacus(アスタクス)とキサントフィル(xanthophyll)から
アスタキサンチン(Astaxanthin)と名付けました。
同じころ、サケの筋肉からサルモ酸という赤い色素を発見し、
それを分析するとアスタキサンチンと一致することがわかり、
アスタキサンチンが微生物、藻類、動物などに
広く分布することが明らかになりました。
こんなものにも使われていた!?アスタキサンチン
化粧品や健康食品に幅広く使われているアスタキサンチンですが、
じつは人間以外の用途でも活躍しているようです。
①色揚げ剤
養殖生産する漁業へと傾向が進み、
養殖魚を天然魚に近い品質(魚体の大きさだけでなく色調や肉の質の改良が市場価値を高める)にするため
色揚げ剤が用いられています。
魚の色調は、メラニン色素・プテリジン類・グアニン・カロテノイド類などからなっていますが、
カロテノイド類は魚類では一般に生合成できないので
餌から得て色々な色調をあらわしています。
したがって、養殖時の餌にカロテノイド類や色素の前駆体を混じて飼育すると
色調や肉質が改善することが知られています。
②畜産への利用
それぞれの家畜に対するアスタキサンチンの効果を調べた実験結果が報告されていますので、
いくつかご紹介します。
【ニワトリ】
ニワトリに混餌投与すると卵黄の色が増し産卵数も増加。
孵化率も向上し健康状態も良好です。
さらに摂餌量が減少します。
また、アスタキサンチンを投与されたニワトリの卵は
貯蔵中にサルモネラ菌の感染に抵抗性を示し保存性が増します。
ニワトリ(ブロイラー)にヘマトコッカス藻体を混餌投与35日間行い、
藻体を倍量与えたニワトリは体重がより増加し、
特に胸筋が有意に増加していました。
摂餌量、餌変換率では差はありませんでした。
また植物油、亜麻仁油、魚油を混餌投与したニワトリの卵中の油成分に対する
アスタキサンチンの影響を試験し、
アスタキサンチンとして0、2、4mg/kg混餌投与6週間後に、
卵黄中へのカロテノイドとアスタキサンチンの移行度は14と10%でした。
卵黄の色、カロテノイド含量は添加アスタキサンチンで変化しています。
【ブタ】
雄豚へヘマトコッカス藻破砕物を
アスタキサンチン5mg/kgの飼料になるように混ぜで飼育すると、
精液量、精子数ともに増加し、子豚の生産性も死産減少で子豚数増加・子豚体重増加で向上しました。
【ウシ】
牛に1日0.01-1mg/kg体重のアスタキサンチンを与えると
乳腺炎に効果があり牛乳産生の生産量が増加しました。
【ミンク】
ミンクにアスタキサンチン5.35mg/日投与して飼育すると、
死産が6.3%に減少し繁殖に有利でした。
などなど、
畜産分野でも動物の健康維持や生産性の増加などを目的に用いられているようです。
人間で言うサプリメントのような使い方ですね。
アジアンムーンのアスタキサンチン原料について
海外の医薬品メーカーならではの厳しい基準で、
ステンレス製のフォトバイオリアクターを用いて、ヘマトコッカス藻を培養し、
その後、日本国内で厳しい安全管理体制のもと、
ヘマトコッカス藻の細胞壁破砕・アスタキサンチンの抽出工程を経て、
アスタキサンチン原料は届けられています。
そのため、安全性が高く高品質なのです。
製造工程例 | |
①培養 | フォトバイオリアクターでヘマトコッカス藻を培養 |
②分離 | アスタキサンチンを蓄積したヘマトコッカス藻を培養液と分離 |
③乾燥 | スプレードライヤーで乾燥(ヘマトコッカス藻粉末) |
④抽出 | ヘマトコッカス藻の細胞壁粉砕・アスタキサンチンを抽出 |
⑤調製 | バルクに合わせてブレンド調製 |
⑥出荷 |
この高品質な原料を用いて、アジアンムーンは日々作られています!
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