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化粧品原料事典 【セラミド①】

目次

セラミド①

セラミド。

リトルの商品を取り扱っている方には聞き馴染みのある原料ですよね。

でも、意外と詳しいことは知らなかったりしませんか?

特に、今までリトルでセラミドと言えば 「セラミド2」 だけでしたから。

そこで、より詳しく、よりマニアックに攻めてみたいと思います。

セラミドの定義

まずは、セラミドの定義です。

Wikipediaには、次のように書かれています。

セラミド (ceramide) はスフィンゴ脂質の一種であり、スフィンゴシンと脂肪酸がアミド結合した化合物群の総称である。

少し解説しますと、「複合脂質」というカテゴリーがあります。

脂質と何かが結合したものです。リン脂質や糖脂質などがこれに当たります。

その中に、スフィンゴイド類を含む「スフィンゴ脂質」というカテゴリーがあります。

脂質にスフィンゴイド類が結合したものです。

さらにその中に、脂肪酸とスフィンゴシンがアミド結合したものがあります。

これが、「セラミド」 です。

この脂肪酸とスフィンゴシンの種類が何種類もあって、組み合わせがたくさんあるので、セラミドと一言で言っても何百種類とあるのです。

それを、その組み合わせによって分類したものが、下表になります。

脂肪酸
ノンヒドロキシ脂肪酸[N]α―ヒドロキシ脂肪酸[A]エステルω―ヒドロキシ脂肪酸[EO]
スフィンゴイド塩基スフィンガニン[DS]セラミドNDS
(セラミド10)
セラミドADS
(セラミド11)
セラミドEODS
スフィンゲニン[S]セラミドNS
(セラミド2)
セラミドAS
(セラミド5)
セラミドEOS
(セラミド1)
4-ヒドロキシスフィンガニン[P]セラミドNP
(セラミド3)
セラミドAP
(セラミド6)
セラミドEOP
(セラミド9)
6-ヒドロキシスフィンゲニン[H]セラミドNH
(セラミド8)
セラミドAH
(セラミド7)
セラミドEOH
(セラミド4)

これがセラミドの大分類で、

現在 11種類

が確認されています。

従来は、セラミド1、2、3・・・などの番号で呼ばれていましたが、世界的に統一した命名法に変更されてきています。

それが上表のような分類に基づくもので、脂肪酸とスフィンゴイド塩基の記号の組み合わせで表現します。

今までセラミド2と言っていたものは、セラミドNSと表記します。

では、セラミドは11種類しかないのか?というと、答えはノーです。

大分類では11種類ですが、小分類になると何百種類もあるのです。

つまり、セラミドNSは一つではなく、何十種類もあるということです。

数年前の研究結果では300~400種類が発見・同定されていますが、その後も新たに発見され続けているので、現在では500~600種類はあるかもしれません。

どこが違うかというと、脂肪酸の長さやスフィンゴイド塩基の構造などが若干違っているものが多数あるので、その組み合わせですぐに数百種類という数になってしまうのですね。

髪の中には70種類のセラミドがあるという研究結果もあります。

セラミドはどこにあるのか?

セラミドは、皮ふや髪の中にあります。

皮ふは表皮と真皮でできていますが、表皮の一番外側に角質層があります。

この角質層は角質細胞と細胞間脂質に分けられますが、この細胞間脂質の中にセラミドがあります。

細胞間脂質は角質細胞をつなぎ合わせる役割をしています。

そして、細胞間脂質の約50%をセラミドが占めているのです。

その他、コレステロールエステル15%、コレステロール5%、脂肪酸20%からなっています。

では、髪はどうでしょうか?

髪に含まれる脂質は、コレステロール類が40%、セラミド7.4%、脂肪酸アルコール1.2%、脂肪酸29.6%、18-MEA19.8%と言われています。

他の文献ではその割合が異なるものもありますが、およそそのぐらいと理解しておけばよいでしょう。

このセラミドはどんな役割があるか?

これは、皆さんご存知の通り細胞膜複合体、いわゆるCMCの中にセラミドが存在して、規則正しく隙間なく並んでいます。

上述の構造式の中でOH基のある辺りが親水部、その反対側が疎水部になっています。

親水部は親水部同士、疎水部は疎水部同士を同じ向きにむけてキレイに並びます。

さらにそれが層を作っていきます。

これが、いわゆるラメラ構造です。

セラミドは、このラメラ構造を取りやすい物質で、CMCの中でもラメラ構造をとって並んでいると考えられています。

液晶乳化セラミドと呼ばれるものは、原料の時点からこのラメラ構造をきちんととっているセラミド、さらには乳化系になっているために製剤にしたときに分離などせずに均一な状態となりやすいことが特徴です。

さて、ラメラ構造をとるセラミドですが、この「ラメラ構造」がとても重要になります。

セラミドがただ入っていれば良いということではなく、どれだけキレイにラメラ構造をとるのか、どれだけ安定して、言い換えればどれだけ長くラメラ構造をとるのかによって、セラミドの能力が随分変わってきます。

何故かと言うと、キーワードは 「結合水」 です。

結合水とは、髪の中に含まれる水の一部で、タンパク質や脂質などに結合しているために乾燥しにくく、氷点以下でも凍結しない水のことを言います。

結合水は自由に動くことがあまりない水で、溶媒としての作用がありません。

他方で、自由に動く水があります。

髪の成分と結合せずに存在して移動することができ、蒸発したり、凍ったりします。

これらを自由水といいます。

髪の水分は11~14%ですが結合水は5%程度と言われていますので、髪の水分の約半分が結合水という訳です。

この結合水、実はセラミドと結合しているのです。

一部はもちろんケラチンにも結合していると思われますが、セラミドが作るラメラ構造に結合していると考えられます。

この結合水を逃さないためにも、セラミドは結合水を保持する力を持っている必要があり、そのためにもラメラ構造をより長く、より安定して保っている必要があるのです。

自由水は、自由に行き来することができるため、髪の中はもちろんのこと髪の外へも出入りしてしまいます。

つまり、11%以下や14%以上になるのもこの自由水のおかげという訳です。

さて、かなりマニアックな話になってしまいましたので、今回はこの辺りで一旦終わりにします。

セラミドはいろんな呼び方をされていますが、例えば、「ヒト型セラミド」 とか、「天然セラミド」 とか、「天然型セラミド」 とか、その他いろいろ。
次回は、それらがどう違うのか?

そして、髪に必要なセラミドはどういう種類なのか?についてお話したいと思います。

天然ヒト型セラミドを配合した商品

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