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化粧品原料事典 【アミノエチルジスルフィドケラチン】

目次

アミノエチルジスルフィドケラチン

化粧品表示名称アミノエチルジスルフィドケラチン(羊毛)
INCI名称aminoethyl disulfide keratin
配合目的毛髪保護材、毛髪補修剤

ケラチンは毛髪の主成分

毛髪の80~85%はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されています。

ケラチンは18種類のアミノ酸から構成されており、特にシスチンを多く含みます。

シスチンには硫黄元素が多く含まれており、ケラチン分子同士がジスルフィド結合(S-S結合)を介して架橋し、強固な毛髪組織を形成しています。

その結果、健常な毛髪は適度な毛髪強度を持ちつつ、しなやかな弾力に富んだ物性を持つのです。

ジスルフィド結合(S-S結合)の髪質への影響

パーマやヘアカラーを繰り返すと髪に含まれるシスチンのジスルフィド結合(S-S結合)が解離し、そこが酸化されてシステイン酸(-SO3H)に変化します。

このことで、毛髪のケラチン骨格が維持できなくなるため、内部のタンパク質が流出し、スカスカな構造になります。

また、加齢によって毛髪内部のS-S結合の数が減少することもわかっており、その結果、強度やハリコシが低下します。

これらの外部からのダメージや加齢による影響以外にも、個人の体質により、ケラチン骨格の歪みでうねりが出たり、パーマがかかりにくかったり、様々な悩みを抱えた人がいます。

※ S-S結合が不足してスカスカな構造になった髪(イメージ図)

従来のケラチン由来PPT技術

従来のケラチン由来PPT技術では、ケラチンタンパク質をバラバラに分解して取り出す工程を踏んでいました。

これらのPPTは、ケラチン同士を架橋しているS-S結合も壊して精製していました。

そうしないと、水に溶けるPPTが得られないからです。

それらのPPTは化粧品原料として使われていますが、これらのPPTを毛髪に補給すると一時的に毛髪内部に留まることでダメージを補修したり、ハリコシを出したりすることが可能でした。

しかし、日々の洗髪などでそれらのケラチンが徐々に流出し、長期間効果を継続することが困難なのが現状です。

※ 従来のPPTを用いた″補修″(イメージ図)

高分子架橋誘導ケラチンとは

そこで、リトルではケラチン同士を繋げる手であるS-S結合を残した「高分子架橋誘導ケラチン」を開発しました。

さらに、この「高分子架橋誘導ケラチン」を羊毛から100%近い高収率で抽出する技術は、他に例がありません。

「高分子架橋誘導ケラチン」の分子量は3,000〜4,000で、1分子の中に30以上のS-S結合を持つ高分子ケラチンです。

また、分子内にカチオン基を導入しているので、毛髪への吸着がとても良いのも特徴です。

※ アミノエチルジスルフィドケラチンの模式図

このアミノエチルジスルフィドケラチンを毛髪内に導入するだけでは、従来のカチオン化高分子ケラチンと変わりませんが、一度このアミノエチルジスルフィドケラチンのS-S結合を還元してSH基にすることで、反応性の高い高分子ケラチンに変化します。

この反応性を高めた状態で毛髪内部に導入し、毛髪のケラチンとS-S結合で定着することができれば、毛髪の一部となり、洗髪等で流出することが無くなります。

このように酸化還元反応を利用することで、毛髪内部に定着させる効果を付与した今までにない新しいPPTなのです!

リケラ

「理想の髪を骨格からデザインする」という、

今までにない発想で開発された「リケラ」シリーズ。

その「3Dリノベータ―」に

この高分子架橋ケラチンは配合されています。

化粧品以外の可能性

化粧品用途以外にもこのケラチンを利用することで、

  • 新規ウールの開発
  • 生分解性縫合糸
  • 人口皮ふ
  • べっ甲や象牙

など、

様々な産業に対して可能性があります!

羊毛は牧草を食べて育った羊から何度でも収穫することができ、とても環境に優しい原料です。

さらに羊毛を100%に近い高収率で精製することが出来る為、コストを抑えることができます。

この「高分子架橋誘導ケラチン」を利用して、リトルは新しい挑戦もしていきます。

アミノエチルジスルフィドケラチンを配合した商品

リケラ

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