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髪にある2つのガラス転移温度とトリートメント施術の関係

目次

目的

ハイダメージ毛にトリートメント施術をするとツヤや手触りは改善されるものの、数日で効果が落ちてしまう。

そのため、髪の内部までしっかり補修し、弾力とツヤがあり毛先までしっとりサラサラした質感が持続するトリートメント方法を検討する。

方法

モデル

ダメージを受けやすい細毛で、カラーや毎日のアイロンによるダメージ(ダメージLV3.5以上)でパサつく20代女性のモデルに施術を行った。

方法詳細

トイトイトーイシャンプー で疎水シャンプーを行い(01)、髪の汚れを落としながら髪を疎水に近づけた

(撥水毛の場合は、疎水シャンプー後に ワクワクneo 浸透促進原液 : neoミスト (1:4)でチェンジリンスをすることが好ましい。)

タオルドライ後、ダメージ部強化のために ワクワクの種 BYAC を毛先のダメージ部を中心に塗布してよく揉み込んだ。

続いて、ダメージにより吸水毛になってしまった髪を親水毛に戻してトリートメントをするベースを作るために、 ワクワクneo パワードベータ を根元から2cmを外して塗布した。

そして、 ワクワクの種 BYAC の消臭と ワクワクneo パワードベータ の脂質の定着性を向上させるために、 ワクワクの種 シブミンEX 5倍で乳化破壊を行った(02)。

ワクワクneo 3種混合原液 : ワクワクneoミスト (1:4)を髪全体に塗布し、馴染ませた(03)。

ワクワクneo 3種混合原液 には、アミジノシステイニルΦ型ケラチンが配合されている。

アミジノシステイニルΦ型ケラチンの中には、1分子の中に強力なカチオン基とSH基が複数存在している。

この段階では、強力なカチオン基が髪の中にイオン結合で吸着している状態である。

続いて、ドライヤーで熱を当てツインブラシで髪表面の面を整えながら、アミジノシステイニルΦ型ケラチンの仮止めを行った(04)。

ここでは、湿熱によりSS/SH交換反応を髪の中で起こし、アミジノシステイニルΦ型ケラチンの一部のSH基を髪の中にSS結合を介して定着させた。

この仮止め工程により、アミジノシステイニルΦ型ケラチンの残りのSH基が、日常生活の中でSS/SH交換反応を徐々に起こし、SS結合で髪の中にさらに強く定着していくことができる。

CMC成分の補給のために、毛先に ワクワクneo 特トリ 、髪全体に リケラエマルジョン を塗布した。

次いで、 ワクワクneo パワードベータ を毛先に塗布した(05)。

これらのCMC成分を浸透させ髪内部を補修するために、100℃のアイロンでスルーしながら髪のCMC成分を溶かして入れた(06)。

髪のCMCはバターのように固まった状態で存在している脂質で、髪のCMC成分のガラス転移点は約85℃と言われている。

100℃のアイロンで髪のCMCを溶かしながら、予め塗布したトリートメントのCMC成分を髪内部まで浸透することができる。

そして、ドライヤーの冷風で3分間髪をクーリングしてCMC成分を再度固めた(07)。

ポリフェノールで髪を収れんするために、 ワクワクneo ポリK 10倍をスプレイヤーでダメージ部に塗布した。

次に、PPTを架橋して定着を向上する為に、 ワクワクneo ヘマヘマ 10倍でチェンジリンスを行った。

さらに、髪のpHを等電点に導く為に、 ワクワクneo キトキト 10倍でチェンジリンスを行った。

タオルドライ後、CMCや18-MEAの補給の為に リケラエマルジョン を髪全体に薄付けし、毛先に アジアンムーン を塗布した(08)。

ドライ後、180℃のアイロンでキューティクルの状態を整えた(09)。

髪のケラチンのガラス転移点は約105℃と言われており、このアイロン工程でケラチンをゴム化してキューティクルを整えることができる。

最後に、仕上げを行った(10)。

結果

ハイダメ―ジでトリートメントがすぐに落ちてしまうような髪質でも、しっかりと弾力とツヤがあり、毛先までしっとりサラサラとした質感の髪質に改善することができた。

さらに、この効果が1週間後も継続されていた。

before
after

結論

アミジノシステイニルΦ型ケラチンは複数のSH基を有するため、ケラチンの仮止めの工程で一部のSS結合を介して髪に定着することができた。

また、髪のCMCのガラス転移点は約85℃である。

100℃のアイロンで髪のCMCを溶かしながらトリートメントのCMCを補給することで、髪内部までしっかり補修することができた。

さらに、髪のケラチンのガラス転移点は約105℃である。

180℃のアイロンで髪のケラチンをゴム化し、キューティクルに流動性を持たせることで、キューティクルの状態を整えることができた。

検証では、1週間~2週間のトリートメント効果の持続性を得ることができた。

以上の工程から、ケラチンやCMCを髪内部に長期間定着させることに成功し、補修力と持続力が高いトリートメントが可能となった。

使用した粧剤

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