課題:ストレート①
■テーマ
ストーレートパーマ課題①
■施術前の髪(や肌)の状態
20代後半女性
芯のある細毛
緩いうねり毛
ヘアーカラー2ヶ月に1度(他店)
矯正は4.5ヶ月前に顔周りのみ施術(他店)
後は1年6ヶ月程前に矯正を施術(自店)
毛先 DL4 中間DL2~3
■目指す仕上がり
クセでうねり、毛先がパサツキはねるためヘアーデザインが決まらない。
矯正毛と新生毛の境目が気になる。
伸ばしているため切りたくはない。
以上の問題を解決!
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
新生毛のクセはEXPで伸びると思うがもし手応えが悪ければダブル還元に修正する。
①浸透促進5倍、3種混合β5倍、加圧蒸気2分放置3分
②新生毛EXP10分放置後、既矯正毛にCA:BYAC:パワードベータ(1:1:2)7分
③水洗、ヘマヘマ 2 0 倍、ファイベータ、エマルジョン、優しく揉み込み、軽く水洗
④タオルドライ後、毛先にいきいき5倍、しっとり5倍、特トリ、ポリK20倍、キトキト20倍、裏技オイル
⑤軽くだけドライヤーでドライ
⑥根元160°でアイロンスルー、毛先は120°でアイロンスルー、根元は乾いた状態、毛先は乾かない状態
⑦2剤過水7分
⑧ヘマヘマ20倍、水洗、ヘマヘマ20倍、いきいき5倍しっとり5倍、ポリK20倍、キトキト20倍、毛先パワードベータ、裏技オイル、コーミング、(キトキト20倍、コーミング、ジェルエッセンス、コーミング)×2、少しトイトーイTR水洗
⑨タオルドライCV少々
⑩ドライ後アイロン110°スルー
■各施術工程の意図
①芯がありやや撥水毛なのでケアーをしつつブースター軟化。
②毛先はダメージが大きいので還元力は減力し補修力を持たす為に左記の様な配合にしました。
③しっかりと1剤を流しヘマチンで還元剤の封鎖しファイベータを架橋、余分を軽く水洗。
④毛先はPPTCMCを補給し収斂させ、疎水に近づけ、キト、オイルで補強、乾かないようにしておく。
⑤⑥根元のアイロンを通しやすくする為に少しだけ乾かす。ただ毛髪内の水分を利用し(加圧蒸気を作る)伸ばすため水分はある程度残す。
毛先は水蒸気爆発しないように蒸気を抜きながら少し水分を飛ばす。
⑦しっかり、たっぷりと塗布
⑧ヘマチンで酸化を促進し質感PPTを架橋する。毛髪内を収斂させpHを戻し疑似キューティクルを張る。
⑨キューティクルを守りツヤを出す。
⑩疑似キューティクルの定着アップ。
■結果および考察
毛先に柔らかさがでて、ダメージ修復もうまくいきました。
根元は1年半前の縮毛矯正を施術した時のデータがあったのでその反省をいかして施術にあたった為、想定通りいきました。
宜しくお願いします。
僕の一番関心のあるストレートですが、仕上がり写真を見ても、施術工程、意図を読ませていただいても完璧ではないでしょうか。
僕は縮毛矯正は収斂、水抜きがカギだと思っているので、それも見事だと思います。
文章では伝えられないアイロン操作を是非見せて頂きたいですね。
完璧な仕事に感心しきりですが、一つだけ質問させて下さい。
>新生毛のクセはEXPで伸びると思うが、もし手応えが悪ければダブル還元に…
手応えと言うのは軟化のことだと思うのですが、稲葉さんの軟化の見極め法を教えて下さい。
榊先生これからご指導よろしくお願いいたします!
>新生毛のクセはEXPで伸びると思うが、もし手応えが悪ければダブル還元に…
の手応えとはご指摘とおり軟化のことです。
僕は軟化は毛髪診断、クセの種類、強さ、細かさ、で求める軟化具合をイメージします。
今回のモデルさんはやや撥水、芯のある細毛、緩やかな大きいクセなので芯(S2)を軟化すれば十分と考えEXPでいけると考えました。
しかし軟化すると今まででなかった隠れクセ毛が出るようならダブル還元でtioを使用かなと考えていましたが1st還元でイメージまで還元、軟化できたためシングル還元でいきました。
軟化は還元終了、アイロン前のタオルドライ時にクセは出ないよう、クタクタにならず強度が残るように目指しています。
リトル粧剤の使いこなしは完璧と思ったので、僕の個人的な興味で質問させていただきました。
中間水洗後にクセがあるかないかの視認ということですね。強度を残しつつ、慎重な水抜きで、うねり、ねじれをほどく。これが醍醐味ですよね。
レポートありがとうございました。次に進みましょう!
ありがとうございます!
まだまだご意見いただきたい事がたくさんあります。
次はそのような内容にします!
頑張ります!よろしくお願いします!
課題:ストレート②
■テーマ
縮毛矯正課題②
■施術前の髪(や肌)の状態
30代女性 毎月カラー 1年に1度縮毛矯正
やや撥水毛、細毛、多毛、少しうねり毛と強い波状毛
前回、前々回の矯正が過軟化、熱変性の従来の矯正の問題点満載のコンディション
■目指す仕上がり
薬剤耐久性が低そうなこの髪にダメージを抑えてナチュラルなストレートに伸ばす。
既矯正毛のビビリ毛を修正。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①前処理 浸透促進剤5倍、3種混合β5倍、毛先特トリ、裏技オイル、加圧蒸気3分
②1st還元 新生毛EXP、毛先保護βエマルジョン10分
③水洗
④2nd還元 新生毛の後頭部(クセ強)ソニルTioH
フェースライン(クセ弱、細毛)CA
残りの部分 ソニルTio
既矯正毛、パワードベータ:CA:BYAC(2:1:1)10分後水洗
トイシャンで優しくシャンプー
⑤シャンプー台でヘマチンでバブリング後ファイベータ後少しぬるま湯をためBYACを溶かしゆっくりとバブリング2分後水洗
⑥タオルドライ、毛先のダメージ部にいきいき、しっとり5倍希釈、特トリ、キトキト10倍、裏技オイル その他の部分にCVを少し塗布
⑦1stアイロン70度優しくスルー
⑧2ndアイロン170度ウェットアイロン
⑨2剤 7分
⑩シャンプー台でヘマヘマ20倍しっかり塗布、しっかり水洗もう1度ヘマヘマ20倍、キトキト20倍コーミング、裏技オイル、コーミング、(キト、ジェルエッセンス)×2、トイトリ水洗
⑪タオルドライ、CV、ブロー
■各施術工程の意図
①出来るだけ優しい薬剤でしっかりと軟化させたいのでブースター軟化
②うねり毛などのS2が絡んでいるクセをまず緩めるために根本EXP、毛先のハイダメージはLV5以上なの収斂作用のあるエマルジョンで保護!
③優しく水洗
④部分的に波状のクセの強さが違い、毛の太さも違いが大きいので1剤を塗り分けしました。既矯正毛はビビリ毛なのでビビリ直し用の薬剤
⑤残留還元剤封鎖のためヘマヘマ、親水によった毛髪を疎水に修復しマクロクリープしやすくするためにファイベータ、弱い毛髪を補強のためBYACを塗布。
1stアイロンで少し引っ張りたい為髪の強度を戻す。
⑥毛先のハイダメージをもう1度補強、バサバサに乾燥しないようにしておく。
⑦1stアイロンで毛髪のねじれを最小限引っ張り取る。
毛髪表面のみ乾燥させ内部は水分を残す。
マクロクリープする環境を残す。
⑧2ndアイロンではまだ毛髪内に少し残っている水分を水蒸気爆発を起こさないように工夫し通し乾燥させる。
⑨しっかり塗布。
⑩ヘマヘマで酸化を促進。2回目は残留過水を除去、キトキトとオイル、ジェルエッセンスで擬似キューティクル作り。
工程、意図、仕上がり写真を拝見する限り、今回も難易度高い状況を見事クリアされてますね。
工程最後にブローとありましたが、仕上がり写真は、ブロー後の写真でしょうか? もしそうであれば、ナチュラルドライだったら、どんな感じだったのでしょうか?
宜しくお願いします!
写真はナチュナルブローです!ノンブラシです。
一眼レフで撮ってもらったので綺麗に撮れています。
自分でカミングアウトすれば毛先3分の1のところに前々回のされた矯正が多分アイロンによる癒着、毛髪の扁平がきつく補正できなくラインができました。前回されたところはなじんだのですが。
サロンワークでもたまになっちゃいます。他の方が施術されたあとはたまに読めない、気が付かないことがあります。
ノンブラシですか、ますます素晴らしい!
他の人がしたところをナチュラルに仕上げるのは、勇気がいりますよね(笑)
では最後に二つ質問させていただきます。
アイロン温度を2段階にされているのは、低音でねじりをとり、高温で毛髪内に圧縮水蒸気を作り、併せて水抜き、と理解していいですか?それと既矯正部にパワードベーターを選択した理由を教えてください。
宜しくお願いします。
ダブルアイロンはクセが強い場合など還元、軟化させてもねじれがのこる場合に
アイロンの力で伸ばす(引っ張る)事が必要と考えています。
しかし軟化、膨潤している髪を引っ張ると毛髪表面のねじれが伸びるだけでなく、コルテックスまで伸びダメージや湿気による戻りの原因になると考えられるので表面のみ乾く程度の熱、スルー回数、力の加減をして内部は湿度を保つ事によってコルテックスはセカンドアイロンでゆっくりと収縮させながら乾燥(固定)させる事が大事と考えています。
既矯正毛にパワードベータを使うのはパワードベータのフルーツ酸によってCAのアルカリを少し軽減できるかなと思い選択しました。
よろしくお願いします。
なるほどですね。ウェットアイロンは極力膨潤させたくないから、パワードベーターになりますね。それに表面の水抜きと内部の水抜きのイメージがしっかりなされてウェットアイロンをされているのが素晴らしい!次に進みましょう。
課題:ストレート③
■テーマ
ストレート③
■施術前の髪(や肌)の状態
日本とインドのハーフ20代女性半年に1度縮毛矯正。
芯のある細毛、クセはうねり毛、捻転毛の混合
毛先は切れ毛、枝毛、癒着によるダメージDL5
■目指す仕上がり
毛先は補修、中間は前回の伸びていないクセを伸ばす。根元も伸ばす。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①前処理
3種混合β5倍、特トリ。DL5部 エマルジョン、BYAC
②還元
根元:ソニルTIO -H
フェイスライン:CA
放置10分
③水洗
優しくしっかり水洗、タオルドライ、ヘマヘマ20倍、いきいき5倍、エマルジョン、ポリK10倍、放置2分、キトキト10倍、水洗
④超しっかりタオルドライ
⑤ウエットアイロン170°
⑥2剤
ソニルTIO-H2剤 8分
⑦ヘマヘマ10倍馴染ませ後、水洗、ヘマヘマ10倍
⑧疎水処理B
⑨疑似キューティクル処理A
⑩CV塗布ドライ
■各施術工程の意図
①ダメージが進み親水になり間充物質が流出して軽くなっているので、疎水に戻しPPTの流出を防ぐ為に特トリで接着する。既矯正部のDL5部分はエマルジョン、BYACで保護、補強する。
②クセは濡らすと緩く感じ、乾くと強く感じるが水の重さで伸びているだけでリッジのある強いクセであり、少しうねり毛だがソニルTIO-Hのシングル還元で均一に還元できると考えました。
③水洗後は毛髪に水分がマックスに吸収しているのでタオルドライをして吸収できるコンディションにしてからヘマヘマ、いきいき、エマルジョン、膨潤した毛髪を収縮させる為にポリKで放置。アルカリ、還元剤を除去し膨潤して弱った状態を収斂させて強度を戻し安定した状態で乾燥させる事(アイロン)が大事と考えています。
⑤細毛であり、ねじれも気にならない為シングルアイロン片面アイロンで少しずつ水分を抜き乾燥させる。
⑦2剤の酸化を助ける意味と残留過水を除去する。
⑧⑨リトル大学院、図書室、各製品カタログ、黒本2の記載の通り施術
⑩ノーブローで仕上げました。
■修正を加えた施術箇所
②1剤放置10分後テスト追加5分
■修正の理由
後頭部のリッジの強い部分の軟化が不十分だった為
■結果及び考察
1つ1つの施術を見直し手応えを感じながら工程を進めていくことで仕上がりが向上できたと思います。
毛先のアイロン熱による癒着部と他の部分との結合部分は少し馴染まない。やはり癒着させないことが大事と感じました。
今回も工程的には言うことなしですね(笑)
ですので、細かいことお聞きします。
毛先のDLが5になっていますが、具体的には、毛髪がどんな状態になっているのでしょう?
よろしくお願いいたします!
ダメージレベルですが僕は矯正毛ではアイロン熱による癒着をしているレベルをDL5以上にしています。
DL5はウエット時は水を多く吸い膨潤し少し溶けた感じがするぐらいで、ドライ時は乾燥し少し硬く(パサパサ)なる感じです。差が大きければダメージも大きいと考えています。
DL5は還元し癒着を緩めようとしてもうまくいかないと思っています。
もっと切れ毛、枝毛が多く、引っかかると切れてしまうとDL5以上ハイダメージと考えています。
なるほど! 毛髪強度の低下とダメージが表面にも及んでいる感じですね。
今回アイロン工程が一回なのは、髪質もしくはダメージに何か関係してますか?
アイロン工程が1回なのは髪質が細毛なのでダブルアイロンでは2ndアイロン時に乾いている事が多く、蒸気を出す事が大事なウエットアイロンの良い質感が出にくい為です。
太毛、硬毛など髪質や還元度合いに合わせてダブルかシングルアイロンか使い分けています。
含水量と水分の抜け具合で使い分けると言うことですね。
まさにウェット(湿熱)アイロンのキモですね。
水分、熱、軟化などまだまだ掘り下げたいことはいっぱいありますが、次に進みましょう!
課題:トリートメント①
■テーマ
トリートメント①
■施術前の髪(や肌)の状態
30代女性 加齢によるクセ毛 髪の間充物質が流出し乾燥、軽くなっている。
カラー毎月1回、ブローは毎回アイロン使用
■目指す仕上がり
おさまりが良く、ツヤ感のある仕上がりを目指します。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①3種混合β5倍、、部分的に特トリ
②CA:BYAC:パワードベータ(4:1:5) 10分
③しっかり水洗、タオルドライ
④ヘマヘマ10倍、いきいき5倍、しっとり5倍、エマルジョン、特トリ、ポリK10倍、優しく揉み込み、パワードベータ、キトキト20倍、裏技オイル、水洗
⑤タオルドライ、コーミングで整えアイロン140°で脱水(乾燥)
⑥過水2剤8分
⑦ヘマヘマ10倍、水洗、疎水工程A 擬似キューティクル工程B
⑧CV塗布後ブロー
■各施術工程の意図
①次の工程で還元剤(CA)を使用するのでパーマ時と同じように前処理をします。
②少しクセも落ち着かせ、間充物質(PPTCMC)を浸透しやすいようにする。
③還元剤を流す。
④ヘマヘマで残留還元剤の封鎖、PPTの架橋、いきいきで疎水の骨格作り、しっとりで質感コントロール、エマルジョンでCMC補充と少し収斂、特トリで流出防止、ポリKでしっかり収斂、パワードベータで表面を疎水膜、キト、オイルで擬キューティクル
⑤低温アイロンで水分を飛ばし、毛髪内を疎水にする。
⑥酸化
⑦ヘマで残留過水除去
⑧持ちを良くするCVを選択
■修正を加えた施術箇所
⑦の疎水工程と擬似キューティクル工程は抜きました。
■修正の理由
もう既に疎水、擬似キューティクルがしっかりと感じた為やめました。
■結果および考察
狙い通りクセを緩め、毛髪内部を充実させ、しっかりと疎水にもっていく事でおさまりは良くなりました。
しかしちょっとベタつき気味のため修正しました。
還元型トリートメントですね。大変興味深いです!
写真3枚目と4枚目がブロー前とブロー後なのでしょうか?
お願いします。
写真は1枚目がビフォー、2枚目がアフターのウエット、3枚目がハンドブロー
4枚目がデンマン1ブローです。
アイロン、140℃で脱水とありますが、これは140℃でのウェットアイロンと考えてよいでしょうか?
そうです!ウエットアイロンです。
ただ、完全に乾燥するまでアイロンを入れるのではなく毛髪表面の水分を蒸発させ形状を整った状態にすることと内部の疎水型PPTを定着させるイメージです!
全工程の所要時間はどのくらいでしたか?
シャンプーからブローまでで1時間10分ぐらいでした。
サロンワークではカット込みで1時間30分ぐらいで施術します。
と言うことは、縮毛矯正との差は、アイロン操作ですね。
縮毛矯正ほど水分を抜かず、ということで、パネル もやや厚めにとってる感じでしょうか?
そうです。アイロン操作もスライス厚いめで少し水分は残り気味です。
還元もクセが取れるというより緩むという感じなので作業工程は矯正と似ていますが僕の感じではS-Sを緩め土台の疎水型PPT、CMCなどを補い水分を抜くことで毛髪内を疎水にしトリートメントをしっかりと残るようにするというイメージです。
目指すところの、収まりがよくツヤ感があるというのが、見事になされていますね。
薬剤使いも、わかりやすくてイイと思います。
しっかり効果のでるトリートメントとナチュラルな仕上がりの縮毛矯正は、突き詰めると交わっていきますねぇ。
それでは次に進みましょう!
課題:トリートメント②
■テーマ
トリートメント課題②
■施術前の髪(や肌)の状態
20代後半、女性
細毛、多毛
カラーを2ヶ月に1度
よく絡み、引っかかるため切れ毛が多くダメージしている。
DLV5
■目指す仕上がり
ダメージによるうねりをとり、ツヤ、おさまりの向上
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①3種混合β5倍、エマルジョン、揉み込み、ポリK塗布、面を整えながらBYAC塗布、放置10分
②水洗後しっかりタオルドライ
③ファイベータ塗布、ダメージがきつい表面、毛先は特トリを塗布揉み込みながら加圧蒸気2分、パワードエマルジョンしっかりと揉み込み
④さらさらシードとしっとりシード 塗布
⑤パワードベータ疎水を感じるまで揉み込み
⑥80°で軽くアイロンスルー後水洗
⑦トイトリ揉み込み水洗
⑧CV付けてドライ
■各施術工程の意図
①毛髪内部を3種混合で整え、エマルジョンでCMCを補いながら引き締め、DLが5なのでポリKでさらに引き締め綺麗に面を整えながらBYACを塗布S-S結合を補い強度をあげ、次のトリートメント工程のもちをあげる。手で毛をストレートになめし放置
③ファイベータで内部を補修、ベースを作り、定着が悪そうなハイダメージ部に特トリで接着、パワードエマルジョンで引き締め、接着
④質感調整
⑤収斂させキューティクルを補修する
⑥持続性アップ、擬似キューティクル形成
⑧トリートメント持続アップ
■修正を加えた施術箇所
⑦で最初に表面の毛先のみ擬似キューティクルBの工程をプラスしました。
■修正の理由
⑥の水洗時に毛先の手応えが弱かった為に擬似キューティクルBを追加しました。
■結果および考察
僕の手応え的には①の工程をする事によって③④⑤のノリが格段上がります。
保ちもよくなると感じます。
今度は①の工程のエマルジョンとBYACの間に形状を修正させる為(ストレートに整える)にアイロンを通してみようかと思います。
⑥のアイロンスルーでの擬似キューティクル形成について、もう少し詳しく教えて下さい。
⑥の工程でアイロンスルーによる擬似キューティクルの形成ですが、⑤で塗布したパワードβのキトサンと18MEA がキューティクルを補修するのをしっかりと少しでも強固にする為にスルーしました。
細毛で軽い髪は少し擬似キューティクルを頑張った方が収まり、モチがいいかと感じます。
内部を頑張りすぎると質感、モチが悪くなると感じます。
その手ごたえが弱かったため擬似キューティクルBを追加しました。
なるほど!
では⑤のところでキトキトも使っていたらどうだったでしょうか?
僕もキトキトを上手に使えば良かったと感じました。
エマルジョン+パワードベータの疎水感が好きなので使用しましたが、擬似キューティクルは足りないと感じました。
パワードベータをキト、オイル、キト、オイルにしたりパワードベータ後キトキトチェンジリンスでも良かったかと思います。
重くなるのが嫌で足りないと感じたらプラスしようと考えていたのでパワードベータを水洗時に足りないと気づきその時点でキトキトチェンジリンスするのが一番自分好みに仕上がったと思います。
トリートメントは髪の状態を観察、感じながら進めていくのが大事ですよね。
いきなりボッテリ乗せてしまうより、足していく方が僕も好きです!
今回も見事な仕事と感心しております!
次へ進みましょう!
課題:トリートメント③
■テーマ
トリートメント課題③
■施術前の髪(や肌)の状態
30代女性 細く強度が弱い矯正毛
DL5で切れ毛が目立つ。ビビリ毛。
■目指す仕上がり
おさまりが良く、ツヤ感のある仕上がりを目指します。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①3種混合β5倍、部分的にいきいき5倍希釈、特トリ、裏技オイル、ポリK5倍をビビリ部に塗布、きれいにコーミング
②BYAC:パワードベータ:裏技オイル(1:1:少々)
10分放置
③しっかり水洗、タオルドライ
④Φベータ塗布優しくもみ込み、
⑤エマルジョン、毛先しっとり5倍希釈、パワードベータ塗布し優しく揉み込む。
⑥アイロン90度でスルー
⑦水洗擬似キューティクル工程A(黒本2より)
⑧CV塗布後ハンドブロー
■各施術工程の意図
①ダメージが進んでいたのでこの状態ではトリートメントが定着しにくく疎水には戻りにくいのでまず、内部補修をします。3種混合β5倍、いきいき5倍でベースを整え、特トリで接着、ポリKで引き締め髪の強度を高めていきます。
②髪をきれいに整えながらBYAC:パワードベータ:裏技オイルを塗布しさらに強度を上げ疎水に戻しやすい環境に整えます。
④⑤ここからβプレミアム③ステップを施術
⑥低温アイロンで水分を飛ばし、毛髪内を疎水にする。
⑦ビビリを抑えるために擬似キューティクルを作る。
■結果および考察
①で少しハリが戻ってきたら少しコーミングでなめしきれいな状態で②を塗布することでBYACが空気酸化しクセ、ビビリが収まると感じます。疎水をしっかり作り、裏技オイル、しっとりシードで少し重さをつけることで治まりの持ちが良くなると思います。
仕上がり写真からすると収まりがすごく良くなってますね。
先ずは、内部補修をしっかりしてからの3ステップトリートメントという感じでしょうか。
内部補修がこの工程のキモになりますか?
お願いします。
今回のモデルさんの髪の状態では疎水的なトリートメントを重ねても結局は髪に残らないと判断し、まずダメージにより親水に傾いている髪をポリKBYACを使い疎水近ずけてからプレミアム3ステップを施術することでベタつかず髪にトリートメントを残せるように工夫しました。
①のポリK、②のBYACの役割をもう少し詳しく教えて下さい。
このモデルさんのようにダメージの大きい髪は疎水型pptや接着CMCでは定着しにくく疎水にはもどりにくい為後のトリートメントのモチも悪くなると思います。 ①のポリKで収斂させながらコーミンか指でなめし、内部に余ったトリートメントを絞り出し出来るだけしっかりと収斂させます。
それでもしっかりと収斂しその状態を維持することはまだ難しいと感じるのでBYACでS-Sを増やし補強し、さらにバサバサの状態を綺麗に整えBYACを塗布し空気酸化で綺麗な状態に保つようになると考えています。
なるほど、元の太さに出来るだけ近づけてからS-Sの補強という感じですね。
それでは⑥のアイロンスルーですが、水分を飛ばして疎水結合を強固にする狙いでしょうか?
また、水分を飛ばすのであればドライヤーでは、どうでしょうか?
⑥のアイロンスルーは、水分を飛ばして疎水結合を強固にする為です。
しかしドライヤーで単に素早く乾燥させるのではなく、アイロンで毛髪内で蒸気を作りながらゆっくり水分を飛ばすことでより安定した強固で質感の良い状態になると思います。
感触を感じながらのアイロンによる水抜きという感じですね。
すべての工程において、緻密さが感じられるイイ仕事ですね。
とても参考になりました。
次に進みましょう!
課題:パーマ①
■テーマ
パーマ課題①
■施術前の髪(や肌)の状態
30代女性 細くパーマがダレる、仕上げると伸びる。
2ヶ月前にパーマ、1ヶ月半おきにカラー。
■目指す仕上がり
アストクリープパーマで ダメージを抑え、立体的なボリュームのあるウエーブスタイル
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①3種混合β5倍、部分的に特トリ。裏技オイル少量スチーム3分
②水巻でアールシェイプでナチュラルテンション(ノンテンションにちかいでワインディング
③ソニルクリープSをしっかりと浸み込むように塗布
④放置3分で一度カールテスト
⑤スポイドで1st水洗後さらに5分放置
⑥もう1度テスト
⑦シャンプー台で2nd水洗
⑧ヘマヘマ20倍、ファイベータ塗布、加圧蒸気3分 キャップし7分
⑨ポリK10倍3分,キトキト20倍3分
⑩キトキト20倍、ブロム2剤7分)×2回
⑪水洗、疎水処理B擬似キューティクルB(黒本2より)
⑫CV塗布、自然乾燥
■各施術工程の意図
①ダメージもLV3ぐらいで薬剤に対する耐久性も低いと感じるので特トリ、オイルを少量
②細毛や軟毛、ダメージ毛はテンションをかけて真っ直ぐにして丸いロッドに巻き込むのではなく、アールをつけてノンテンションで巻き込んでいくことが大事と思います。
③水巻なのでしっかりと1剤を浸み込ますためにゆっくりと塗布します。
④、⑤1剤が浸透し反応し始めたら表面の1剤を流します。必要なくなった1剤を流す感じです。最初に反応した毛髪表面の還元を緩やかにし(止めるほどではなく)膨潤を最小限に抑える。結果として低膨潤で均一に還元できるようなイメージです。
⑥,⑦求めているカールが出ていたらシャンプー台で水洗します。
⑧クリープ期を置きます。
⑨アスト、収斂させます。アルカリ領域ではポリKの収斂効果が低いので酸にもっていきしっかりと収斂させます。
⑪ しっかりと疎水に戻すことでダメージを防ぎ再現性、持ちが良くなると思います。
■結果および考察
細毛でパーマはかかるがすぐダレ再現性が低いタイプはアストクリープとアールシェイプ、ナテュラルテンションでワインドでクオリティーはアップすると思います。
濡れた状態と乾いた状態のウェーブのギャップが少なくてイイ感じですね。
アストクリープがバッチリ決まった感じですが、薬剤使いとワインド時のテンションとどちらに重点を置きましたか?
薬剤による軟化、膨潤のコントロールは大事と思いますが、テンションをしっかりとかけ真っ直ぐに引っ張りながらワインディングしてしまうと細毛や軟毛は思うようにはパーマがかからないと思います。
なのでシェイプとナチュラルテンションは絶対と考えています。
ですよね、軟毛に対する時のテンション大事ですね。
そうなると⑧の中間処理で、僕はイキイキを使いたくなりますが、どうでしょうか?
そうですね!
いきいきをいけば良かったですね!
手応えが大丈夫だったので頭が回りませんでした。
手応えを感じながらのファイベーターだったのですね。
状態を見極めての薬剤選定は大事ですね。
では次に進みましょう。