課題:ストレート①
■テーマ
ストレート課題①
■施術前の髪(や肌)の状態
硬毛、乾燥。
2~3ヶ月に一度カラー。
縮毛矯正は初めて。
毛先に毎日のアイロン仕上げによる熱ダメージ。
乾燥、癖はこのダメージの影響もあり。
ウェット時とドライ時に同様の癖が見られることから、
癖の種類は「波状毛」だと診断されるが、
うねりも少し見られる。
損傷部ダメージレベル3~4。
■目指す仕上がり
毛先の熱ダメージによる揺れを、
完全なる癖だと思い込まないように、
根元、毛先のダメージをそれぞれ別の物として考えて、
綺麗なストレートを目指す。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①トイトイトイシャンプー 水洗後しっかりタオルドライ
②前処理
新生部 浸透促進5倍→ナノスチーム、ファイβ、毛先薄くエマルジョン
③1st
ソニルEXP+10分 毛先CA+BYAC(1:2)7分放置
新生部の癖が少し残った箇所に、軽くぬるま湯で揉み込み、
それ以外の顔周りなどにはヘマチン20倍を塗布し、3分放置
④水洗
全体にヘマチン20倍塗布後、バブリング
しっかり水洗後、再度ヘマチン20倍、キトキト20倍バブリング、キトキト20倍バブリング、
毛先のダメージ部にパワードβ揉み込み、再度水洗(軽め)
⑤アイロン
ドライ、アイロン170度
⑥2剤塗布
過酸化水素8分
⑦水洗、後処理
ヘマチン20倍バブリング
ポリフェラK10倍パッティング
キトキト20倍バブリング
アジアンムーン コーミング
キトキト20倍バブリング
βトリートメント
⑧仕上げ
cv塗布後、ドライ
■各施術工程の意図
①ダメージ毛を意識して。コアセルベートの形成も期待。
②髪質的に薬剤が奥に入りずらそう(かと言って撥水性が強い訳ではない)だったのと、
波状毛という癖を考慮して新生部のみ浸透促進原液。
スチームで柔らかくなるまで。
毛先のダメージ部はほぼトリートメントでのケアがメインなので、
3stepを行う流れでファイβ塗布後、毛先のザラつき部にエマルジョンを塗布し、
指で鞣してザラつきを取る。
③S2還元
1stで足りなければ2ndでチオをいこうと思っていましたが、
浸透促進の効果もあって、1stのみで。
少し還元が足りない部分は、ぬるま湯で表面の薬液を流し、
毛髪内に少し還元剤を残して(イメージです)もう少し還元、
逆に還元を止めたいところはヘマチンで還元剤の封鎖。
毛先のトリートメントは、CAを混ぜることで元々ある癖に少しアタック、
ですがメインはダメージケアなので、
ここはBYACとエマルジョンを効かせるイメージで。
④還元剤の封鎖。
一気にpHを落とすと過収斂の恐れがあるので、
少しずつ下げるイメージでキトキト→バブリングを2回繰り返す。
パワードβは3step工程。
⑤根元メインでアイロン操作後、毛先は軽く挟んで1度だけ高温にする。
ドライの時点で毛先はまだ少し濡れている状態(乾きにくい状態)にしてあるので、
アイロンで乳化破壊、トリートメントの定着を促す。
⑦過酸化水素の除去
収斂
pHコントロール
擬似キューティクルの形成
ここでしっかり疎水を意識して処理をする。
■修正を加えた施術箇所
③CA+BYAC→CA+BYAC+エマルジョン(1:2:1)
■修正の理由
やはり油分が足りないと感じたので。
■結果および考察
毛先のダメージ部は、ダメージレベルにもよりますが、
還元剤を混ぜることで、
やはりダメージは少し進行してしまうので、
徹底的にトリートメントで修復する場合のことも、
もう少し考えておかないとダメだなと感じました。
欲張りはいけませんね。





それでは中野さん、いよいよスタートですね。
これからいろいろとお世話させて頂きますので、よろしくお願い致します。
ではまずは確認ですが、
今回、矯正は初めてという方がモデルさんですね。
文中で新生部としている部分の長さはどのくらいでしたか?
写真で何となくは分かるのですが、いちおう確認させて下さい。
次に、工程③の還元のところで、
>少し還元が足りない部分は、ぬるま湯で表面の薬液を流し、
毛髪内に少し還元剤を残して(イメージです)もう少し還元
とありますが、実際には結果に繋がりましたか?
では、よろしくお願いします。



よろしくお願い致します。
新生部と書いてある部分は、
約15センチ程です。
写真では分かりにくいですが、熱変性を起こしている部分は若干暗く沈んだように見える部分があると思いますが、
その部分までを「新生部」とさせていただきました。
③に関しては、
薬剤は乾くと反応が鈍くなると勉強したので、
ラップをしていてもどうしても少し乾いてしまうので、
その促進と、
表面付近の還元を弱めて内部の還元を作用させるイメージでぬるま湯をかけました。
目に見えない部分なので断定はできませんが、
指で触って、
その効果を確認できたので、
1stのみでの判断をしました。



追記
⑤の、「少し濡れている状態でアイロン」と書いてありますが、
この時のアイロンの温度は100度に下げて行っております。



今回のポイントは考察にもあるように、毛先の還元と補修のバランスですね。
写真では、やわらかい自然な仕上がりで良いと思いますが、自分的に欲を言えば、といった感じなんでしょうね。
CA+BYAC+βエマルジョン(1:2:1)の比率を変えたほうが良かったのか。
それとも違うアイテム同士を組み合わせて使ったほうが良かったのか。
または中間処理をもう少し違う方法でやったほうが良かったのか。
などなど、選択肢や方法はたくさんあると思いますが、どうのような方法が考えられると思いますか?



「トリートメントのようなストレート」は、言わば真逆のことなので、
「ストレート」なのか「トリートメント」なのか。
そこが欲張ったかなと思います。
今回のケースでは、もはや還元に耐えられるような状態ではなく、
だけど真っ直ぐにしたいという欲が出た結果の考察だと思います。
トリートメントをメインで考える場合でいけば、
混ぜることをしないで、
エマルジョン→BYAC。
エマルジョン塗布後、しっかり指で鞣して、
少しでも真っ直ぐな状態にしてBYACのグアニジルシステインを利かせます。
中間処理においては、
しっとりシードやサラサラシードなどのPPTをもっと上手く使いこなせば良かったなと思いました。
サラサラシードは熱と相性が良い。
もしくはイキイキで強度アップ。
今回の場合ならイキイキで良かったかなと思います。



>今回のケースでは、もはや還元に耐えられるような状態ではなく、だけど真っ直ぐにしたいという欲が
美容師あるあるですかね(笑
何とかしたいと思いますもんね。
それでは、このレポートの締めくくりとして最後に、
毎日毛先にアイロンを使う今回のモデルさんに、何かヘアケアのアドバイスをされたのであれば、それを教えて下さい。



アイロンを日常的に使用されるお客様には、
1、ドライヤーでしっかり乾かし、決して半乾きなどの状態ではアイロンを使用しないこと。
2、熱から髪の毛を守ってくれるような、オイル系のアウトバスタイプのトリートメントをつけること。
3、アイロンの熱は低温で何度もゆっくり巻くのではなくて、高温(上限180℃)で1回でビシッと決める。
この3点はお伝えするようにしてます。



シンプルだけど効果的な丁寧な仕事をされているんだろうなと思わせるレポートで良かったと思います。
では、次の課題に進みましょう!
レポート、お待ちしております。
課題:ストレート②
■テーマ
ストレート課題②
■施術前の髪(や肌)の状態
細毛、乾燥、軟毛
ウェット時の写真を撮り忘れましたが、ウェット時は癖が伸びていました
1ヶ月半に1度カラー
毛先12~15cmの既矯正毛部は、ダメージによりうねりが出ている。
毛先ダメージレベル3~4
■目指す仕上がり
ストレート課題①と同様、毛先のダメージを考慮して、全体的に柔らかいストレートを目指す
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
① 水洗 トイシャンで軽くシャンプー
② しっかりタオルドライ
前処理 3種β3倍→ポリk5倍→スチーム 既矯正毛に特トリ、裏技オイル
③薬剤塗布
1st 根元 EXP+ 毛先CA:エマルジョン(2:1)
根元塗布5分放置後、毛先塗布 さらに10分放置
④水洗
軽くバブリング乳化後、しっかり薬剤を流して、ヘマチン20倍バブリング、ポリk10倍、キトキト20倍 バブリング
しっかり優しく水洗
⑤ドライ アイロン
ドライ前にサラサラPPT、キトキト20倍塗布
ドライ、アイロン170℃
⑥2剤塗布
過酸化水素塗布 8分放置
⑦水洗 後処理
ヘマチン乳化後、しっかり水洗
ヘマチン20倍バブリング
ポリk、キトキト20倍バブリング
ベータCMCトリートメント
水洗
⑧仕上げ
CV ドライ
■各施術工程の意図
②、ダメージによる親水化を疎水毛へ。
毛先には油分が足りていないのと、薬剤をダイレクトに反応させないための皮膜作りで特トリと裏技オイル。
③、細毛なので、S1にも少しアタックしたいのでEXPで。
毛先のダメージ部は、前回の反省も踏まえ、どっちつかずの配合ではなく、還元剤を多めに調合。
あまり膨潤はさせたくないので、エマルジョンで減力。
④、ドライ前に手触りで中間処理を決めようと思っていたので、ここではシンプルに。
⑤、毛先の質感が思っていたよりも良い感じだったので、サラサラを選択。
ダメージを感じれば、イキイキでいこうと思っていました。
⑦、あまり油を乗せすぎると重くなり易い髪質なので、ここでもあまり欲を出さずにシンプルに。
■修正を加えた施術箇所
④の水洗時に根元の軟化をもう少しさせたかったのですが、毛先はもう流したかったので、毛先だけ先に流して、
根元は優しく2、3分程乳化しました。
■修正の理由
軟化不足を感じたので。
■結果および考察
良い感じに仕上がりました。
前回の反省を活かせたかなと思います。







二つ目の課題ですね。よろしくお願いします。
では、まずですが、
>3、細毛なので、S1にも少しアタックしたいのでEXPで。
これについて、もう少し詳しく理論的に解説して頂けますか?



よろしくお願いします。
「理論的に」と言われると、どうかは分かりませんが。
細毛、軟毛の方はS2の数が少なく、
S2還元だけでは癖を伸ばすことが難しいと思います。
なので、システアミンとチオを配合したEXPを選びました。
ダブル軟化にしなかった理由は、
髪の強度が持たないと思ったからです。
このタイプの髪質の方は元々強度が弱いので、
なるべくシンプルに、尚且つ効率よく軟化したい。
写真を見て貰えば分かると思いますが、
そんなに癖も強いタイプではなかったので、
シングル軟化で充分伸ばせると判断しました。
髪の強度が無くなると、
次のドライ、アイロン工程の時の処理、
又、テンションのかけ方やプレスの強さなどに影響され、
少しのミスで大きな失敗に繋がります。
髪の強度を保ちながら軟化を進めていくことが、
細毛の方には重要だと思っています。



今回のポイントは、前処理と1液のバランスでしょうか。
3種β3倍→ポリk5倍→スチームで、わりとガッツリ前処理をしておいて、それからEXP+での還元でしたが、
前処理が過剰だったのか1液が弱かったのか、わずかですが放置時間が延びました。
2~3分程度の延長は想定誤差の範囲と言えるので、通常は問題ないですが、チュートリアルなので出来るだけそこは突き詰めたいと思います。
ということで、より効率の良い軟化のための改善策を教えて下さい。



前処理のポリKは、新生部には付けていません。
詳細不足で申し訳ありません。
ポリkは基本的にダメージで緩んでいる部分のみの塗布を意識しているので、
根元は3種β3倍を薄くだけ付けました。
今回の23分の放置タイム追加は、
僕の中でも許容範囲内なのですが、
他に効率の良い軟化を考えるとすると、
新生部に前処理で浸透促進5倍をつけ加えます。
その場合は3の根元放置時間を置かずにそのまま毛先の塗布にいきます。
ですが、今回のモデルさんの髪質はどちらかと言うと薬剤を吸い込んでしまう髪質なので、
浸透促進原液を使うことはほぼありません。
他の手段を考えると、
EXP塗布後にスチームを2~3分当てるのが1番効果的だと思います。
この時に注意するのは、
スチームの熱で薬剤の浸透を早めるのではなくて、
少し反応させるために行いますが、
熱を当てすぎると過剰に反応してしまうので、
少し遠いところからスチームを当てるのがポイントです。
そしてそのまま毛先の施術にうつります。



勘違いでしたね、すみません。
ということは換言すれば、毛先はきちんと補強しておいたが想定よりも還元がはやく、そのため根元の還元時間とのズレができた、ということですね。理解できました。
ポリKのかわりに、キトキトも良いかもしれないですね、pH的に。
>熱を当てすぎると過剰に反応してしまうので、少し遠いところからスチームを当てるのがポイントです。
これが凄くいいなと思いました。
今回のモデルさんのようなケースは違いますが、太毛の方に対し薬剤を活性化したいということで熱をあて過ぎて、その結果、内部が還元されないという逆効果があったりするので、こういう、ちょっとした大きな違いというのを、たくさん世に広めていって欲しいなと思います。
では最後に、前回のレポートにもありましたが、アイロン温度170℃という、いわゆる一般的な温度よりもマイナス10℃なわけですが、これには何か理由がありますか?



アイロン170℃設定については、
僕のアイロン操作にあった温度が170℃だと思っていて、
僕がアイロン施術をした時の、
テンション、スルー速度、プレスの強さなど、
180℃ではイマイチしっくりこないことが多く、
それは微妙な力加減だったり、速度だったりするんだと思うのですが、
それなら機械の温度で調整した方が確実だと思ったので、
170℃設定にしています。
特に科学的根拠はありません。。。



いいえ大丈夫ですよ。
大切なのは、きちんと考えがあることで、何も考えなしはちょっと頂けませんが、科学的であれ感覚的であれ、きちんとご自分なりの根拠があればOKです。
プロフェッサーになると、美容師さんからこういう質問をたくさん頂くと思います。信用されていればいるほど、多く頂くと思います。
さらに、その時の回答の質みたいなものによって、美容師さんからの信頼感が変わるので、プロフェッサーもなかなか大変です。(皆さんいつもご苦労さまです。ありがとうございます。)
それではこれにて課題②を終了したいと思います。
ありがとうございました。
次の課題へ行きましょう!



ありがとうございます。
僕は科学者にはなれないので、
美容師からの目線を大事にしていて、
何かつまずいた時に科学的視点から解決していくことが多いです。
では、そんな感じで次も頑張ります。
課題:カラー①
■テーマ
カラー課題①
■施術前の髪(や肌)の状態
髪質は硬毛で太く、少し撥水、粘性がある。
履歴は中間から毛先にかけて数回のブリーチ歴があり、根元も毎回ダブルカラーをしている。
ダメージレベルは4。
明るさは、新生部3レベル、根元(新生部からブリーチ部の間)10レベル、中間から毛先14~15レベル
■目指す仕上がり
暗めのマットブラウンを目指す。
ブリーチ歴のある部分はしっかり保護しながら、ツヤのある髪を目指す。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①水洗
トイシャン後、しっかりタオルドライ
②前処理
ファイβ ポリk5倍 スチーム3分 特トリ 裏技オイル
③カラー剤塗布1
根元13レベルのマット系カラー剤を塗布 10分放置
毛先ノンアルカリカラー剤8レベルのマットブラウン系カラー剤を塗布 10分放置
④中間処理1
チェック後、中間から毛先にヘマヘマ20倍 エマルジョンを揉み込む
⑤水洗
トイシャン後、ヘマヘマ20倍 キトキト20倍で、それぞれバブリング
その後、毛先約10cmにエマルジョン揉み込み、水洗
⑥カラー剤塗布2
根元7レベルのマットブラウン系カラー剤塗布
中間6レベルマットブラウン系カラー剤塗布
5分後、毛先に中間と同じ薬剤を伸ばす
根元から毛先全てノンアルカリカラー
10放置
⑦中間処理2
チェック後、ヘマヘマ20倍 ポリk5倍
⑧水洗
キトキト20倍塗布後、カラー乳化
トイシャン
しっとり5倍 ヘマヘマ20倍 エマルジョンバブリング キトキト20倍 ジェルエッセンス 水洗
⑨cv塗布 ドライ、ブロー
■各施術工程の意図
①⑤⑧のトイシャンは、すべてブリーチ毛を考慮して。
②ほぼブリーチ部メインの処理なので、結構しっかり。
pptで髪を補強、ポリで引き締め、CMCで接着、オイルでキューティクルの保護。
ただ、やり過ぎると色が入らないので、量は必要最低限の量で。
④ヘマヘマで酸化促進、エマルジョンで間充物質の流出を防ぐ。
⑤ここのヘマヘマは根元メインで、過酸化水素の除去。
キトキトは根元から毛先までしっかり塗布し、根元のアルカリ除去と、それぞれのキューティクルの保護。
エマルジョンを少し甘めに残し、次のカラー剤塗布時のコーミングによる引っかかりを防ぐ。
⑦酸化、発色促進、染料流出の防止。
⑧キューティクルのこれ以上の剥離を防止。
ダメージによるパサつきを抑えるためにしっとりを塗布、ヘマヘマで架橋、エマルジョンで接着、キトキト、ジェルエッセンスで擬似キューティクルの形成。
■修正を加えた施術箇所
⑤のエマルジョンは、シャンプー中に引っかかりを強く感じたので付け加えました。
一回目の前処理が重すぎたのか、毛先に思ったよりも色が入らなかったので、二回目のカラー前は処理剤はなしで行きました。
■修正の理由
上に記入
■結果および考察
ブリーチを繰り返した髪は、これ以上のダメージを恐れて、処理を行い過ぎてしまう傾向にあるので、そこら辺の見極めがまだまだだなと感じました。
仕上がりは、上手くいったと思います。









今回はカラーですね。
よろしくお願いします。
いい感じにキレイに仕上がってますね。
ではまずですが、参考にしたいと思いますので、それぞれのカラーの2剤の濃度や比率などを教えて下さい。



よろしくお願いします。
2剤濃度、比率ですが、
一回目のカラー剤、根元の濃度は、6%、1剤に対して2倍の比率で配合です。
毛先は3%で、比率は1剤に対して等倍です。
2回目のカラー剤は水溶きタイプのカラー剤なので、
2剤は使っていません。



水溶きタイプって、面白いですね。
これはそもそも水で溶く特殊なカラー剤なのか、それとも一般的なノンアルカリカラー剤を水で溶いているのか、どちらでしょうか?
あともうひとつ素朴な質問ですが、ダブルカラーを行う目的は何でしょうか?



水溶き専用の酸性カラー剤です。
とても細かい粉末タイプのカラー剤で、
過酸化水素を使っても染まるのですが、
コントロールが難しくなるということをメーカーさんがおっしゃっていたので、
水溶きのみで使用しております。
ダブルカラーを行う目的は、
今流行りのヘアカラーには定番とも言えるんじゃないかと思いますが、
髪の毛の中にあるメラニン、もしくは残留色素を脱色し、
一般的に、透明感、透け感があるヘアカラー、
もしくは、淡い色、ビビッドな発色、等々、
一度のヘアカラーでは実現できないようなヘアカラーをする上では必ず必要になってくるものだと思います。
今回、僕がダブルカラーを選択したのは、
モデルさんの要望は「暗め」だったのですが、
毛先にブリーチの履歴があり、
根元との明度差に差があり過ぎると判断したので、
その差を埋めるためにダブルカラーを行いました。



通常、粉というのは髪がくすみやすくなるんですが、そんな中でツヤが出せているのは補修の効果でしょうね。
新生部と既染部にケミカル処理の差があればあるほど、トーンが揃いにくくなるので、私のような昔のカラリスト(笑)は皆、グレイでトーンコントロールしてました。
当時ダブルカラーの大流行があり、そのブームが去った後今度はその反動から、ダメージとトーンのコントロールをいかに行うかみたいな風潮になりましたが、CMCや高分子PPTなんかが無い時代によくやっていたなと笑い話になります。
では最後にですが、
>一回目の前処理が重すぎたのか、毛先に思ったよりも色が入らなかったので
>ブリーチを繰り返した髪は、これ以上のダメージを恐れて、処理を行い過ぎてしまう傾向にあるので、そこら辺の見極めがまだまだだなと感じました。
ということで、一回目の前処理の改善策を教えて下さい。



技術の進化は素晴らしいです。
だけど、それに溺れないように気を付けます。
前処理の改善ですが、
考えられることとすれば、
塗布量、油分。
後は前処理ではないのですが、
カラー剤の選定ミスが挙げられると思います。
僕はファイβを塗布するのが苦手で、
(泡状の物は全般的に苦手)
いつも多めに塗布してしまう傾向にあるのですが、
今回もまさにそれで、
ダメージがかなり進んでいる髪は処理剤を過剰に吸ってしまうので、
それを考慮しても、
やはり塗り過ぎてしまうのが、一つ目の反省点。
もう一つは、
特トリ、裏技オイルの組み合わせは重かったかなと思います。
2回目の前処理代わりとして、
「シャンプー後にエマルジョンをバブリングして甘めに残す」と書きましたが、
1回目の前処理もそれと同等で良かった気がしています。
最近は、前処理の終盤でエマルジョンを精製水で10倍に希釈した物を毛先のザラつき部分に塗布して、
指で優しく染み込ませるようにしていますが、
その方法が今はしっくりきています。
カラー剤の選定ミスは、
それこそダメージによるカラー剤の吸い込み、沈みを警戒した失敗で、
ブラウン系カラー剤の濃度、もしくはもう1レベル暗めの色を配合しても良かったかなと思います。



丁寧でしっかりとしていて、客観性もありとてもいいですね。
ちなみに自分も泡が苦手です。。
ありがとうございました、それでは次の課題へ行きましょう!



泡の攻略法も考えておきます。。
次もよろしくお願いします。
課題:カラー②
■テーマ
カラー課題②
■施術前の髪(や肌)の状態
カラーは初めての方。
2〜3ヶ月前に毛先にパーマ履歴があるので、少しパサつきを感じる。
髪の毛は細いが、ハリがあり硬毛。
明るくなりにくく、明るくすると赤みが出てきそうなタイプの髪質です。
■目指す仕上がり
初めてのカラーなので控えめにしたいが、「こんな感じ」と見せてもらった写真はどれもダブルカラーの明るさだったのですが、ブリーチはしたくないと。
でも透明感を少し出したいので、13レベルのカラー剤で一度赤みを抑えつつ明るくし、トナーで色味を足して、透け感のあるアッシュを目指します。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①水洗、シャンプー
②前処理
3種β3倍 スチーム 毛先のパーマ部にポリk少々
③カラー剤塗布
根元10レベルアッシュ系
毛先13レベルアッシュ系
合計20分放置
④カラーチェック
ヘマヘマ20倍 毛先ポリk10倍 キトキト20倍
放置3分
⑤水洗、シャンプー
乳化前にもう一度キトキト20倍を塗布後、乳化、シャンプー。
キトキト20倍バブリング
⑥トナー塗布
9レベルアッシュ系トナー剤をシャンプー台で塗布し、コーミングでまんべんなく全体に馴染ませる。
5分放置後、水洗、シャンプー。
後処理で、再度ヘマ20倍バブリング ポリk10倍 キトキト20倍バブリング
トリートメント塗布後、水洗。
⑦ドライ、ブロー
cv塗布後、ドライ
■各施術工程の意図
②3種β3倍は全体に薄めに塗布し、ハイレベルカラーの膨潤を抑えるため、毛先のみポリkをつけました。
③根元からグラデーションをつけるため、根元1センチは10レベルカラー剤、中間〜毛先は13レベルカラー剤で、3等分に分けて塗布。
根元塗布、中間⑴塗布後5分放置、中間⑵塗布後5分放置、毛先塗布後10分放置でいきました。
*赤みを抑えるために、マットも少し配合しています。
④ヘマヘマで酸化促進、ポリkで収斂、キトキトでpHの調節。
⑤高アルカリのカラー剤なので、キトキトでしつこくpHを下げる。
トナーを塗布するので、アルカリが残ると発色に影響を与えるので、ここはしっかりと。
⑥手順は④と同様で、ここでのヘマは残留過酸化水素の除去。
ポリk、キトキトで擬似キューティクルの形成を目的に。
■修正を加えた施術箇所
特になし
■結果および考察
いい感じに仕上がりました。
明るさも色味もイメージ通りだったので、自分的には大成功です。







よろしくお願いします。
特に気になる所は無いですね、申し分無いと思います。
今回はひとつだけ。
前処理において、3種βとファイベータの使い分けの基準があればそれを教えて下さい。



1番意識している面としては、
やはりφ型ケラチンの疎水力、しなやかさです。
3種にも配合されていますが、
風合いの違いはやっぱりあるかなと感じます。
極度に親水に偏った髪、
ダメージによってしなやかさを感じない髪、
それこそハイダメージ毛(ダメージレベル4〜5)には、ファイβを選択します。
ただ、
細い髪の毛の場合はファイβだけで重たくなってしまう場合があるので、
その場合は3種、ポリ、エマルジョンの薄付けで対応しています。



求める質感によって、ということですね。了解しました。
ファイベータは3種ベータよりも保湿感があるうえに泡だと、不必要に重くなる時がありますね。
きちんとアイテムの特徴を把握されていますね。
ありがとうございました。
それでは今回はこれにて終了します。
次に行きましょう!



ありがとうございます。
次もよろしくお願いします!
課題:ストレート③
■テーマ
ストレート課題③
■施術前の髪(や肌)の状態
かなりの多毛、細毛、撥水、縮毛と波状毛の混合。
履歴も本人があまり覚えておらず、「パーマをしたけどだいぶ前」と言っていましたが、手触りで毛先にザラつき、パサつきを感じたので、パーマがまだ残っていると判断。
手触りで考えると、熱処理系のパーマの可能性もある。
その後のカットで中間部分にかなりの梳きが入っていて、ボリュームが収まらない。
パーマ部は、毛先約10センチ。
ダメージレベル3〜4
■目指す仕上がり
S1S2結合それぞれの還元をバランス良く行い、なおかつ細毛なので、髪の毛の強度を失わないように、薬剤をコントロールして、滑らかなストレートを目指す。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①水洗、トイシャン
②前処理
根元〜中間 浸透促進原液5倍 スチーム2分
毛先のダメージ部中心に3種β5倍 エマルジョン10倍 ポリk5倍
③薬剤塗布
根元〜中間 EXP+:GMT(1:10%)
根元塗布後、スチーム2分
毛先クリームタイプのGMT単品
毛先塗布後15分放置
④軟化チェック、水洗
ヘマヘマ20倍 キトキト20倍 バブリング
しっかり水洗
ヘマヘマ20倍 キトキト20倍 バブリング
クエン酸100倍 バブリング×3回
水洗
⑤中間処理
しっかりタオルドライ
毛先ファイβ ケラチン系処理剤
⑥アイロン
170度でアイロン施術
⑦2液塗布
過酸化水素塗布 8分放置
⑧水洗、後処理
ヘマヘマ20倍 バブリング乳化
キトキト20倍 バブリング
しっかり水洗
ヘマヘマ20倍 ポリk10倍 キトキト20倍 ケラチン系処理剤 CMCトリートメント
水洗
⑨ドライ
cv塗布 ドライ
■各施術工程の意図
②
撥水を弱めるため、浸透促進原液。
毛先のザラつき、パサつきを考慮して、PPT、CMCの補充、ポリkで引き締め。
③
撥水を取ると細毛で、あまり膨潤をさせたくないので、癖の強さ的にはチオで行きたいところですが、EXP+にGMTを配合して還元力を上げて、あまり膨潤させずに均一な軟化を狙う。
毛先はそれこそ膨潤はいらないので、GMT単品を選択。
④
ヘマヘマは還元剤の封鎖、ケラチンの架橋。
キトキトはpH調節、キューティクルの保護。
少しずつpHを下げるイメージでクエン酸を何回かに分けてバブリングしています。
⑤
毛先の乾燥を防ぐためと、しなやかさを出すためにファイβ
定着を促すためにケラチン系処理剤。
⑧
ヘマヘマは過酸化水素除去、
キトキトはキューティクル保護、pH調節
最後の処理は、ヘマヘマでケラチンの架橋、
ポリkで引き締め、キトキトはpH調節、ケラチン系処理剤で擬似キューティクル。
■修正を加えた施術箇所
修正を加えた訳ではありませんが、1液のアルカリの除去を徹底的に行いたかったので、クエン酸のバブリングの回数はその都度で変えています。
■修正の理由
今回は少し多めにしました。
毛量が多く、均一にアルカリ除去を行うためです。
■結果および考察
中間と毛先の繋ぎの部分の還元がイマイチで、中間部分に少し癖が残ってしまいました。
根元〜中間の薬剤をもう少し伸ばすか、繋ぎの部分だけ薬剤を変えるか。
薬剤を伸ばすなら、その部分に前処理で3種β、ポリkでしっかり処理すること。
薬剤を変えるなら、EXP+単品でアタックします。











よろしくお願い致します。
今回はクエン酸が登場してのこだわりのひと手間といった感じですね。
今回はこのあたりに注目したいと思います。
まず「クエン酸100倍 バブリング」の施術の方法を、より詳しく教えて下さい。お願い致します。
次に、クエン酸100倍希釈液のpHが分かればお願い致します。
そして、GMTを使いさらにクエン酸も登場して徹底的にアルカリのケアを行っていますが、2液に臭素酸ではなく過酸化水素を使ったのは何故でしょうか。



よろしくお願いします。
クエン酸100倍のpHは、pH4くらいだと認識しています。
100倍希釈したクエン酸をアプリケーターに入れて、
髪の毛全体にまんべんなくかかるように少量ずつかけます。
少しお湯を溜めてバブリングをします。
pH4のクエン酸をさらにお湯で薄めるので、
バブリング時のpHはpH5以上にはなっていると思います。
今回の場合では、過収斂を避けるため、
3回のうちの始めの2回は最初にお湯を溜めて、
そこにクエン酸100倍を流し入れ、バブリング。
3回目に髪の毛に直接クエン酸100倍をまんべんなくかけて、再度バブリングしました。
EXP+のpHが8.8なので、
ここまでの処理でpH6程度には下がっていると思います。
何年か前にpHチェッカーで調べた時に、
pHって意外と下がらないなと思ったことがあるので、
ここで詳しい数字を計ったことはないのですが、
あくまでも予想値はそれくらいだと認識しています。
2剤に過酸化水素を使ったのは、
pHは意外と下がらないという経験と、
クリームタイプの臭素酸を切らしていたので、
過酸化水素でいきました。
臭素酸でも良かったと思います。



それでは最後にストレート課題の締めとして、
超高齢化時代のストレートとは、どのようなものだと思いますか?



超高齢化時代の縮毛矯正ということですが、
どこからを高齢者と言うかによっては変わってきますが、
高齢者の方の悩みは、ボリュームダウンとツヤだと思っています。
ツヤを出すにしても、ピンピンの縮毛矯正では不自然だし、
ましてやピンピンの縮毛矯正をしてしまうと、
ボリュームなんて出るはずもありません。
自店では何年も前から謳っておりますが、
そういったピンピンの縮毛矯正ではなく、
髪の毛の強度、しなやかさを失わず、
毛先がちゃんと収まり、
ブロー、アイロンなどでボリュームを出せるような、
ナチュラルな縮毛矯正をお客様に提供出来るように、
日々努めております。
価格競争で、縮毛矯正料金が1万円を切るような時代ですが、
高齢化だからこそ、
誰でも簡単に出来る縮毛矯正ではなくて、
髪質を見極め、ただ真っ直ぐなれば良いのではなくて、
デザインに沿った縮毛矯正、
そのために本質を追求し、
発信、提供していくべきだと思っております。



白髪のロングが素敵だなぁと思える人が増えるといいなぁと思います。
では、これにて終了したいと思います。お疲れさまでした。
次の課題へ行きましょう!
課題:カラー③
■テーマ
カラー課題③
■施術前の髪(や肌)の状態
根元新生部3センチ、中間8レベル部10センチ、毛先11レベル部15センチ。
白髪が少しずつ生え始め、気になるとのこと。
毛先11レベル部は、以前ダブルカラーの名残で、その後も1度パーマをあてている。
中間ダメージレベル2、毛先は4。
■目指す仕上がり
全体を8レベルのブラウンに。
根元は白髪もしっかり染めて、中間毛先はダメージをケアしながら、ツヤのある髪を目指します。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①水洗、シャンプー
トイシャンでシャンプー
②前処理
3種β3倍 スチーム2分 毛先11レベル部ポリk5 エマルジョン少量
③カラー剤塗布
根元アルカリカラー7レベルウォームブラウン系
中間、微アルカリカラー8レベルウォームブラウン系
毛先、酸性カラー7レベルウォームブラウン系
合計25分放置
④中間処理
ヘマヘマ20倍 3分放置
⑤水洗、シャンプー
キトキト20倍でバブリング乳化
水洗、トイシャン
⑥後処理
ヘマヘマ20倍 エマルジョンでバブリング キトキト20倍 トリートメント
⑦ドライ、ブロー
cv塗布 ドライ
■各施術工程の意図
②カラーによるダメージ補強のためのcmc、pptの補充、毛先ダメージ部の緩みの引き締め、接着。
④染料の発色促進
⑤キューティクルを保護しながらの乳化と、pHのコントロール。
⑥残留過酸化水素の除去、ダメージ部の引き締めと後のキトキトによる擬似キューティクルの形成、酸処理。
■修正を加えた施術箇所
⑥のエマルジョンの部分、最初はポリkで引き締めを予定していましたが、水洗中の手触りで引っ掛かりを感じ、油分が足りないと思ったので、エマルジョンに変更しました。
■修正の理由
ここはいつもその時の手触りで決めるところなので、足りないと感じたものを選択しました。
■結果および考察
如何にシンプルにするか?ということを考えながら施術しました。
根元、中間、毛先でそれぞれダメージレベルが違い、その差をシンプルな工程でフォローすることが、時短にもつながり、髪にとっても良いことだと思います。
よろしくお願いします。







よろしくお願い致します。
課題も半分まで来ましたね。残りも頑張っていきましょう。
前回のストレート課題③での前処理、
>3種β5倍⇒エマルジョン10倍⇒ポリk5倍
と、今回の前処理、
3種β3倍⇒ポリk5倍⇒エマルジョン少量
エマルジョンを先に塗布する時と、後から塗布する時の違いは何でしょうか?
それと、カラー施術ではクエン酸処理は普段やりませんか?
カラーのほうが遥かにアルカリが強いですけれども。



ストレート課題の場合、GMTを塗布しているのですが、
GMTの油分は意外と残りやすい印象があるので、
エマルジョンを水溶性にして、あまり油分が乗りすぎないように意識しました。
今回のカラー課題では、エマルジョンを原液で使用しております。
原液で使用した場合は、水溶性のものを後に持ってきても浸透が悪く、
効果が現れにくいので、この順番にしました。
クエン酸処理、行っております。
後処理のヘマヘア後にクエン酸でバブリングをいれています。
基本的にクエン酸処理はカラー、パーマの後処理で必ず行っておりますが、
リトルサイエンティストさんの商材ではなく、
オリジナルのものなので、あまり書き込まない方が良いかと思いまして…



お気遣いありがとうございます。
それではカラー課題の最後として、
昨年あたりから消費者庁がヘアカラーのアレルギーに注意として注意喚起を行っていますが、これらについて何か取り組みや対策として行っていること、心がけていることがあればお聞かせ下さい。



ヘアカラーなどのアレルギーに関しては、
現場で実際にお客様と接していてもかんじていたことで、
頭皮の赤みや湿疹がなど、
何かしらの炎症を起こしている方をよく見かけます。
それに伴って、
頭皮の刺激が少ない薬剤をどこのメーカーさんも出してはいるのですが、
お客様によっては、反応はそれぞれです。
根本的に出来る対策としては、
カラーをされるお客様には必ず、
頭皮用保護オイルを塗布し、
過去にカラー剤に刺激を感じたことがある方は、
地肌につけない、
あるいは酸性カラーをオススメし、
ジアミンによるアレルギーの可能性のある方は、
マニキュアでさせていただくようにしています。
後処理でも、
ヘマヘア、キトキトなどを、
バブリングで頭皮にもかけ流し、
頭皮の残留物もしっかり除去するように心がけています。
最近、ヘマヘアは頭皮にはあまりつけない方がいいと耳にしました。
本当のところはどうなのでしょう?



>最近、ヘマヘアは頭皮にはあまりつけない方がいいと耳にしました。本当のところはどうなのでしょう?
そうですか。理由は分かりませんが、
基本的に皮膚につけてはいけないようなものは作りません。
ただそうは言っても、アレルギーやアレルゲンは人それぞれなので、絶対に大丈夫!などとも言いません。
極端な話ですが、世の中には水アレルギーの人もいるので、そうなってくると、ほぼ全ての薬剤にその人にとってのアレルゲンが入っているということになります。
それから、少量使えば良いものも、大量に使えば毒になることがありますね。例えばビタミンなども種類により過剰摂取で問題が起こることもあります。
ですので、適切に希釈したものを使い、そして積極的に頭皮に塗布しない、ということが大切なのだと思います。
よくある、
ヘマヘマ10倍を髪につける ⇒ お湯を溜めて全体的にチェンジリンスという方法は、そういう意味でも良い方法なのだと思います。
それでは、次の課題に進みますか?



太陽光のアレルギーの方もいますもんね。
次はパーマで行きたいと思います。
よろしくお願いします。
課題:パーマ①
■テーマ
パーマ課題①
■施術前の髪(や肌)の状態
履歴はカラーを約2ヶ月前に、縮毛矯正を半年ほど前に。
ボランティアなどで長期間海外によく行かれる方で、ドライヤーもなく、シャンプー、トリートメントの出来ない環境でのボランティアなので、根元5センチから毛先にかけての強い引っ掛かりがある。
髪質は硬く、どちらかというと撥水。
■目指す仕上がり
今回はデジタルパーマで、毛先にワンカールをつける。
中間部分はダメージによるウネリが出てきているので、そこはトリートメントでフォローする。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①水洗、トイシャン
②前処理
ファイβ スチーム2分 エマルジョン10倍 ポリk ケラチン系処理剤
③薬液塗布
中間ダメージ部分 エマルジョン→BYAC
毛先デジパ部分 GMT:ソニルTIO(1:10%)
12分放置
④水洗、中間処理
水洗 ヘマ20倍 キト20倍バブリング 水洗
⑤ワインド
毛先デジパ部分 ファイβ ケラチン系処理剤少量ずつ
ドライヤーで5~6割ドライ
デジロッドでワインド
60℃ 100℃ 70℃
3分 3分 1分
⑥2液塗布
臭素酸2剤
7分×2回
⑦ロッドアウト、水洗、後処理
キト20倍 バブリング
しっかり水洗
ヘマ20倍 キト20倍 トリートメント 水洗
⑧ドライ
cv塗布 ドライ
■各施術工程の意図
②cmc、pptを補給。しなやかなカールにしたいのでファイβでいきました。
*ファイβは中間から毛先まで塗布しています。
毛先デジパ部分はダメージでパサつきがあるので、接着cmc、ポリkで引き締め
③中間部分はダメージによるボイドをエマルジョンで埋めて、BYACで定着させる。
しっかり揉み込む。
毛先は、過去に縮毛矯正歴があるので、熱によるダメージがあるので、薬剤が浸透しにくくなっています。
なので、少し膨潤させ、薬剤の浸透を良くし、なおかつGMTの還元力を少しサポートするためにソニルTIOを混ぜました。
④還元剤の封鎖、pHの調節。
⑤クリープを促進させるため、cmcとpptを。
ここでファイβをいくと、仕上がりがかなり柔らかくなります。
蒸気が出やすいように、ワインド時のペーパーを濡らしながら巻きました。
少し髪に水分が残るくらいを目指して温度設定。
⑥GMTメインのお薬なので、2剤臭素酸で。
⑦キトで臭素酸除去、ヘマでケラチンの架橋、キトでキューティクルの保護。
■修正を加えた施術箇所
ソニルTioの混合は悩みましたが、付け加えることにしました。
■修正の理由
ダメージを考えると、GMT単品でいきたいところだったのですが、ワンカールという、少し頼りないパーマをクリっと出すには、膨潤が必要だと考えたからです。
■結果および考察
手触り、仕上がり、共に満足のいくものになりました。
やはりGMTと熱の相性がいいのか、すごくしっとりサラサラな手触りになりました。
ただ、僕(美容師)が仕上げる分にはすごくやり易かったのですが、お客様(素人)が自分で仕上げるとなると、少し弱かったかもしれません。
ソニルTioの比率を20%に上げるか、GMT原液の濃度を上げるか。。。
経過を見たいと思います。







今回はパーマですね。
よろしくお願い致します。
ツヤがあっていい感じに仕上がってますね。
今回も特に指摘する所は無いと思います。
>ソニルTioの比率を20%に上げるか、GMT原液の濃度を上げるか。。。
低還元で乾燥まで持っていくデジは、カールに安定感は出ますがウェーブ効率は少し落ちやすくなるので、そのあたりも考慮しながら決めたほうがいいかもしれませんね。



よろしくお願いします。
そうですね。
1剤で還元するときに、
1本だけロッドを巻いておいて、
タイムが来たらカールチェックするのですが、
その時のカールのイメージよりは仕上がりのウェーブはダレたりダレなかったり。。
デジはそれこそ1剤塗布後のチェックを終えると、
2液を塗布するまでチェック出来ないのが1つ難点としてあると思いますが、
そこは経験で埋められる事だと思います。
チオ、システアミン、GMT、それぞれの還元剤の特徴を改めて再確認しつつ、
デジタルパーマの良いところをもっと引き出せたらなと思っております。



デジって、もっとサロンに根付いても良さそうなんですけどね。
日本に入ってきたのが、少し早かったですかね。
でも今はダメージケアの研究もだいぶ進んでいますし、機械が眠っているサロンは、ちょっと勉強してデジを見直すといいと思いますけどね。
では次の課題に行きましょう!



僕も、今の時代ならもっと良いデジパが出来ると、
色々と検証しております。
アドバイスありましたら、よろしくお願いします。
次もデジパでいきます。
課題:パーマ②
■テーマ
パーマ課題②
■施術前の髪(や肌)の状態
ホームカラーの残留アルカリによるダメージで、ガサつく手触り。
細毛で引っ掛かりやすく、無理なコーミングで断毛が多く見られる。
■目指す仕上がり
細毛タイプの方によくありがちな、根元のボリュームが出しにくい方なので、ウェーブにして仕上げやすいようなデザインに。
今回もデジタルパーマでの施術ですが、デジパでのウェーブデザインの検証も兼ねてやってみます。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①水洗、シャンプー
②前処理
3種β3倍 スチーム2分 ポリk5倍 ケラチン系処理剤
③1剤
GMT単品 15分放置
④中間水洗
ヘマチン乳化 水洗
⑤中間処理
ファイβ ケラチン系処理剤
⑥ドライ、ワインド
ドライヤーでハーフドライ後、デジロッドでワインド
⑦加温
70→100→55度
2分→5分→3分
⑧2液塗布
臭素酸7分 2回
⑨ロッドアウト、水洗
⑩後処理
ヘマ20倍 ポリk10倍 キト20倍 バブリング トリートメント 水洗
⑪ドライ
cv ドライ
■各施術工程の意図
②
ppt、cmcの導入
ダメージによる緩みを収斂
③
髪質、ダメージの状態から、極力膨潤をさせたくなかったので、GMT単品を選択。
④
還元剤の封鎖
⑤
しっかりタオルドライ後、クリープを促進させるため、ppt、cmcの補充
⑥
6~7割ドライ後、ワインド時のペーパーを少し濡らしてワインド
13~16号で中間巻き2回転
⑧
GMT単品なので臭素酸で。
⑩
ケラチンの架橋
ウェーブダウンを防ぐために収斂
擬似キューティクルの形成
■修正を加えた施術箇所
特になし
■結果および考察
デジパでのウェーブスタイルの検証でした。
ウェーブのポイントとしては、均等に熱があたり、均一なクリープを促すことが1番のポイントとなると思います。
今回の結果から見ると、中間部分のウェーブ不足を感じました。
ズラして巻くことを意識したのですが、
ロッドの長さの都合でどうしても重なる部分ができてしまい、
そこの部分にうまく熱が伝わらなかったのかもしれません。
※ロングロッドではなかったので、ロングロッド購入後もう一度リベンジします。









デジパの2回目ですね、よろしくお願い致します。
中間から毛先へと自然なウェーブが出ていて良いと思いましたが、中野さん的には中間部はウェーブ不足だったんですね。
確認なんですが、ワインドはいわゆる根元巻きの要領で、髪の中間部から毛先に向かって巻きつけていった。ということで大丈夫ですか?



よろしくお願いします。
毛先から巻き込んで中間まで2回転です!
書き間違えました…
そして、中間巻きにすればウェーブ不足も改善できるかもしれない事にも今気付きました…



そうですか!良かったですね。
巻きを変えてみて、それでもイマイチであればロングロッドを買ってみるとかが良いかもしれませんね。
では、次に行きましょうか?



はい。次も頑張ります!
課題:トリートメント①
■テーマ
トリートメント課題①
■施術前の髪(や肌)の状態
細毛、少し硬毛、ウネリのある癖で、少し撥水。
毛先はデジタルパーマが残っている状態。
■目指す仕上がり
トリートメントのみのメニューを普段あまりしないので、
リトルサイエンティスト推奨のトリートメント手順を参考にし、疎水を意識したトリートメントで、弾力のある髪を目指す。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①トイシャン 水洗
②根元~中間 浸透促進5倍 スチーム3分 CA:パワードβ(1:2)
毛先 エマルジョン BYAC
5分放置
③水洗 タオルドライ
④さらさら5倍 ヘマヘマ20倍 キトキト20倍
⑤ソニルBⅡローション チェンジリンス
⑥ヘマヘマ20倍 クエン酸 キトキト20倍 ジェルエッセンス トリートメント
⑦ドライ
■各施術工程の意図
②技術理論のトリートメント例を参考に。
毛先はデジパがあたっているので、還元剤は付けたくないので、エマルジョンでザラつきをなめして浸透させ、BYACで定着させる。
④水洗の時点で手触りが重たい気がしたので、一気に仕上げの処理へ。
弾力のある髪を目指していたので、さらさらシードで。
⑥過酸化水素の除去、pHの調節と、擬似キューティクルの形成。
■修正を加えた施術箇所
重たい感じがしたので、マニュアルにある一部分をとばしました。
■修正の理由
すでに髪に油分が残っている気がしたので。
■結果および考察
仕上がりはやはり重たく、油分の乗りすぎでなかなか乾きませんでした。
パワードβがCAの影響で乗りすぎたのかなと思います。
一気に油物を乗せるにはダメージが軽かったのかもしれません。
見極めをもっと慎重にします。







よろしくお願い致します。
トリートメント課題の1回目ですね。
P11の【うねり毛or熱変性毛】を参考にしたトリートメントですね。
重たくなりましたか?
髪質の見極めもあるのかもしれませんけど、マニュアル自体に本当はもうひと工夫必要なんですよね、すみません。
これぞ、理論ベースのマニュアル!という感じなので、実際には省いてもいい工程もあります。
例えば、浸促5倍とCAですが、どちらかで1つでいいでしょうね。
熱変性の場合は浸促のみで、うねり毛はCAで、という感じですね。
毛先のエマルジョン⇒BYACは、重たくならなかったですか?



お願いします。
毛先は大丈夫でした。
根元から中間が全然乾かず、
ブローで湯気を出しながら乾かしました。
なのでパワードβかなと感じました。



おっしゃるとおりだと思います。
やっぱり浸促とCAでパワードβが入りこみ過ぎたのかなと思いますね。
ワクワクの種が新しくワクワクneoに変わりましたので、この機会にマニュアルもちょうど見直そうと社内で考えてましたので、今回とても参考になりました。ありがとうございます。
ちなみに今回の施術工程の中で、中野さん的に改善点があれば教えて下さい。



1番感じたのは、
トリートメントをするにしても、
やっぱりベースの前処理は大事だと思います。
今回もした方がいいとは思ったのですが、
あくまでもマニュアルを参考にと思い、省きました。
トリートメントがちゃんと残るための前処理、
還元剤を使うなら尚更だと思います。
あとは、乳化破壊とイオンコンプレックスの使い分けを、
上手く出来ないかと考えています。
リニューアルされたマニュアルを楽しみにしています。



>トリートメントがちゃんと残るための前処理、還元剤を使うなら尚更だと思います。
さすがです。
トリートメントも場合によっては前処理が必要である、と理解している方は、本当にまだまだ少ないんですよね。
>乳化破壊とイオンコンプレックスの使い分けを、上手く出来ないかと考えています。
乳化破壊は髪へのアブラ補給が目的、イオンコンプレックスの目的は皮膜、というのが基本的な考えだと思います。
自分は乳化破壊をよく駆使してました。
トイトリ(特トリ20%混)+ジェルエッセンスによる風合いが好きで、シルク同士の相性も良かったです。
イオンコンプレックスも色々とやったんですけど、クリアのヘアマニキュア後に、アニオンPPTを入れたシャンプーで洗うのが今でも一番好きです。
まぁ私のことはどうでもいいですね(笑
では、次の課題に進みましょう!



参考になりました。
次も頑張ります!
課題:トリートメント②
■テーマ
トリートメント課題②
■施術前の髪(や肌)の状態
細毛、頭頂部付近の髪は柔らかく、ウネリがある。
血行不良による栄養不足の髪の毛かと思われる。
毛先にパーマが当たっている。
■目指す仕上がり
パーマが当たっているので、還元剤を使ってのトリートメントはせず、また、前回の反省を活かして、重くなりすぎないように注意しながら施術していく。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①水洗、トイシャン
②ドライ
③全体にβミスト3倍、毛先3分の1に3種β5倍、ポリk10倍、エマルジョン、BYAC
④スチームで3分揉み込み
⑤水洗
⑥しっとり5倍、ヘマ20倍、ポリk10倍、キト20倍、ジェルエッセンス、キト20倍、ジェルエッセンス
⑦水洗、ドライ
■各施術工程の意図
今回はなるべくシンプルを心掛けました。
細毛で栄養不足なため、頑張ってトリートメントを重ねても重たく仕上がるだけだと思うので、普段、カラー前などに行っている前処理に、BYACで髪の毛の強度を上げて、手触りは擬似キューティクルのみでの勝負にしました。
エマルジョンでボイドを埋めて、BYACで固定するイメージです。
脂質を固定するイメージではないのですが、ボイドのあるガタガタな状態よりは、この手順の方が綺麗に仕上がると思っています。
■修正を加えた施術箇所
特になし
■結果および考察
仕上がり的には申し分のない仕上がりでしたが、「トリートメント」のメニューとして確立させるにはまだまだ何かが足りないと思いました。
それこそイオンコンプレックスによるあのツヤを求めるのか、
乳化破壊によるしっとりを求めるのか。
そのどちらの良さも知っているのですが、その中間を目指そうと思うと、やはり物足りなさを感じます。
また色々思案してみます。







それでは、トリートメントの2回目、よろしくお願い致します。
キレイに仕上がりましたね。
ツヤ、保湿ともに軽い感じで、細毛にフィットした施術だと思います。
そしてここからさらにクオリティアップを考えるとなれば、アイロンなんかも少し取り入れてみるのはどうでしょうか?
イオンコンプレックスや乳化破壊の話からずれてしまいますけど(笑
重ねたトリートメントを、アイロンの熱であえて少し抜きながら定着も行うというものですね。



お願いします。
アイロンを取り入れたトリートメントは、
それこそ乳化破壊の知識を知る前になりますが、
以前、何度か試した事があります。
その時の印象としては、
アイロンを入れることによって、
水分を飛ばし、
トリートメントの油を残すことで、
定着を良くする方法だと思っていました。
そうすると、
その時もやはり重たく仕上がっていた覚えがあり、
水と油のバランスを変えるのは(ここは少し乳化破壊と似ているのかなと思っていましたが)、
1番コントロールするのが難しく感じています。
何かいい施術方法があれば、教えていただきたいです。



言葉足らずでしたね。すみません。
トリートメントでアイロンを使う目的は中野さんのおっしゃるとおりで、重たさを強調したい場合に有効ですね。
この時、アイロン前にクリーム系のトリートメントを使うと、それが顕著にあらわれると思います。
これが細毛などの場合は逆効果になるので、リキッド系トリートメント(ベータミストやベータエマルジョンを水希釈したものなど)を薄く重ね処理し、その後アイロンで飛ばしていくという考えです。
髪質に応じてPPTを変えるように、CMCやトリートメントも変えると面白いと思います。



cmcを軽くするという発想はなかったです。。
言われれば簡単に気付くことなのに。。。
頭がまだまだ固い証拠ですね。
今日、トリートメントモデルを用意しているので、
早速試してみたいと思います!



おぉ!そうですか!?
グッドタイミングですね!
何か手応えが得られたらいいですね。
頑張って下さいね。
では、次の課題に進みましょう!
課題:トリートメント③
■テーマ
トリートメント課題3
■施術前の髪(や肌)の状態
1ヶ月前に暗染め。
その前のカラーがひどい仕上がりで(他店によるカラーです)、
毛先のダメージが酷く、おそらく強アルカリの薬剤で毛先まで塗布し、何も後処理なしでの仕上げだったんだと認識しております。
キューティクルの剥離、内充成分の流出による引っ掛かりがかなりあり、乾いた状態では分かりにくいですが、ウェットにすると櫛が通らないような状態でした。
■目指す仕上がり
毛先のハイダメージ部の修復をメインに、ですが、欲を出し過ぎて重い仕上がりにはならないように注意し、前回のチュートリアルで教えていただいたことも交えつつ、自然な仕上がりを目指します。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①シャンプー(トイシャン)
②根元~中間にβミスト、中間~毛先に3種β5倍
③スチーム、揉み込み
④中間~毛先にエマルジョン10倍(少量) サラサラシード5倍
⑤スチーム、揉み込み
⑥全体にポリk10倍 毛先にエマルジョン10倍(しっかり) 揉み込み
⑦アイロン100度で水分を抜く
⑧しっかり水洗
⑨ヘマ20倍 ポリ10倍 キト20倍 ケラチン系処理剤
⑩cv ドライ
■各施術工程の意図
全体的に、根元~中間、中間~毛先は別物として考え、それこそ根元~中間は必要最低限の処理しかしていません。
根元~中間に付けたのは、ミストとポリkぐらいです。
毛先に入れるpptは、少量を何度かに分けて塗布し、塗布する毎にスチームで揉み込みながら、重くならないように心掛けました。
エマルジョンの場面でもそうですが「揉み込む」という事の大事さを最近とても意識していて、乳化バランスを崩すとすごく手触りが良くなるのですが、やり過ぎるとやっぱり重くなるので、そのさじ加減を、少しずつ足していくという作業で確認しながら進めていきました。
アイロンの水抜きも同じで、水を抜いて油を残すので、水を抜いた時はもちろん重たく感じるのですが、水洗するとサラサラなのが理想で、でもそこは仕上がってみるまで少し怖い所もありましたが(経験が少ないので)、今回は大丈夫でした。
水洗の感じで最後の処理を変えようと思っていたのですが、理想通りの手触りだったので、少しイオンコンプレックスを加えました。
■修正を加えた施術箇所
なし
■結果および考察
結果はいい感じでした。
「アイロン」「揉み込み」などの「運動」を加えることで、いい質感が生まれることを改めて感じることができました。







トリートメントの3課題目、よろしくお願いします。
早速アイロンを取り入れていらっしゃいますね。仕上がりも、とても良いですね。
とにかく試してみるという吸収力の良さが、中野さんの高いスキルの源なのだと感じました。
>エマルジョンの場面でもそうですが「揉み込む」という事の大事さを最近とても意識していて、
この揉み込むというひと手間で、とくに補修という処理は大きく変わってきますよね。
このひと手間を惜しまない美容師さんが、もっともっと増えればいいなぁと思います。が、現実はなかなか大変です。。



揉み込む、揉み込まないで、何が違うのかっていうのは、
ある程度自分の中で「ここが違うかもしれない」っていう予測を持ってないと、
実感として分からないのかもしれませんね。
シャンプー後のトリートメント一つにしても、
揉み込むって大事だと思います。
髪の毛の状態や髪質にもよるかもしれませんが。。。



>揉み込む、揉み込まないで、何が違うのかっていうのは、
ある程度自分の中で「ここが違うかもしれない」っていう予測を持ってないと、
実感として分からないのかもしれませんね。
なるほどですね。勉強になります。
そう言えば、触覚を効果的に鍛える為に大切なことは、意識をすること、ということを聞いたことがあります。
指先や髪の風合いや変化、そして中野さんの予測、こういったことを意識しながら施術を行うことで触覚は鍛えられ、どんどん敏感になっていくんだろうなと思いました。
では、いよいよの、最後の課題に進みましょう!
課題:パーマ③
■テーマ
パーマ課題③
■施術前の髪(や肌)の状態
硬毛、ハリがあり、しっかり強度のある髪の毛ですが、カラー履歴、パーマ履歴の積み重なりにより、毛先はダメージレベル4。
乾いた状態でも毛先に引っかかりを感じ、ウェットになると引っかかりときしみがかなり出てきます。
■目指す仕上がり
なるべく低膨潤で、だけど還元はじっくりと。
キューティクルの剥離による引っかかりを強く感じるものの、
芯のような硬さも感じるので、そこをしっかりと還元し、毛先にワンカールと、手触り向上を目指して、擬似キューティクルの形成をします。
■施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
①水洗、トイシャン
②前処理
軽くドライ後、βミスト3倍 3種β5倍 スチーム2分 エマルジョン10倍 スチーム1分(揉み込みしっかり) ポリk 10倍
③薬液塗布
GMT
塗布後3分スチーム 12分放置
④水洗、中間処理
水洗 ヘマ20倍 キト20倍バブリング 水洗
⑤ワインド
毛先デジパ部分 イキイキ5倍 ケラチン系処理剤 キト20倍
ドライヤーで5~6割ドライ
デジロッドでワインド
60℃ 100℃ 70℃
3分 3分 1分
⑥2液塗布
臭素酸2剤
7分×2回
⑦ロッドアウト、水洗、後処理
キト20倍 バブリング
しっかり水洗
ヘマ20倍 ポリk10倍 キト20倍 ジェルエッセンス キト20倍 ジェルエッセンス トリートメント 水洗
⑧ドライ
cv塗布 ドライ
■各施術工程の意図
毛先に強くダメージを感じる場合は、まずミストで軽くウェットにして、コームが通りやすい状態にします。
引っかかりは毛先のみではなく、中間部分にも感じるので、前処理剤は全体に満遍なく塗布し、パーマをあてないところはトリートメント感覚で施術します。
3種βを揉み込み、エマルジョンで接着し、ポリkで引き締める。
しっかりイメージを持つ事が大事です。
薬剤選定はいたってシンプルに。
中間処理で少しオイル系の物を被せ、デジロッドの熱で定着させるイメージです。
後処理でも擬似キューティクルを。
重くなりすぎないように、髪の手触りを確認しながら。
■修正を加えた施術箇所
最後のキト、ジェルエッセンスの工程を一つ増やしました。
■修正の理由
手触りで足りないと感じたため。
■結果および考察
デジタルパーマは僕の中でもまだまだ完成系ではなくて、これからもっと良くなるものだと感じています。
まだ発展途上で、10年程前に一時期流行った時とは比べ物にならないくらい処理剤も増え、科学も進歩したので、もっと使いこなす方法があると確信はしているのですが、色々と思案中です。
そうやって考えるのは僕だけじゃなくて、やはりタイミングというものもあるのか、色々な「進化したデジタルパーマ」なるものを聞きますが、その中からも色々と学び、自分の糧にしていきたいと思います。







最後の課題ですね、よろしくお願いします。
可愛く仕上がってますね。
もうさすがに何も言うことは無いですね。
当初から施術の設計はしっかりとされていましたし、いろいろなことを吸収し向上させようと、とても前向きでしたし、仕上げ方にもうまさを感じていました。
これからも様々なことを吸収され、おおいに活躍されることを期待しております。
では、中野さんからこのチュートリアルを経験した感想などをお願い致します。



ありがとうございます。
以前から思っていたことは、
人から聞いたことや、見たこと、
自分で調べたことも、
頭の中に入れただけで、
実際に自分で考えて手を動かさないと、
本当の経験にはならないなと感じることが多々あります。
ただ、その「見た、聞いた、調べた」を、
自分なりに解釈して、
それを更に人に見てもらい、
意見までいただけるというこのチュートリアルは、
自分を成長させるには素晴らしい場所だと感じました。
知識、技術の再確認、新しい提案、
それを僕にはない科学的視点からの解釈で、
新たな発見ばかりでした。
とても楽しく挑戦させて頂きました。
ありがとうございました。



>人から聞いたことや、見たこと、自分で調べたことも、
頭の中に入れただけで、実際に自分で考えて手を動かさないと、本当の経験にはならないなと感じることが多々あります。
知識を付けることと、身に付けることとの差が、まさにここにありますね。
すでに今もそうなんでしょうけど、ますますいい美容師さんになっていくのだろうなぁと、自分をはじめ教育部では思っておりますよ。
それでは、これにてチュートリアルを終了したいと思います。中野さん、本当にお疲れ様でした!!
ありがとうございました!^^



ありがとうございます。
本試験、頑張ります。