リトル・サイエンティストが提唱する″ヘアデトックス″とは、
サロンで行うケミカル施術後に残留する薬剤を分解・除去しましょう!ということ。
それをしないとどうなるのか…ということも含めて、
″ヘアデトックス″について極める!!
今回は、そんなブログにしようと思います。
そもそも、残留する薬剤ってなに?
ヘアデトックスは、髪に残留した薬剤を除去すること。
じゃあ、髪に何が残留するの?
それは、大きく分けて3つあります。
- 還元剤
- アルカリ剤
- 過酸化水素
です。
この3つの薬剤が、髪に残留してしまうことがあるのです。
では、この3つの薬剤について、ちょっとだけ触れておきましょう。
1.残留 還元剤
還元剤は、カーリング剤1液、パーマ1剤の主成分ですね。
例えば、システアミン、チオグリコール酸、チオグリコール酸グリセリル(いわゆるGMT)など。
これらは、カールをつけるために髪に塗布して、髪の内部のS-S結合を還元してくれるわけですが、その役目が終わったら、逆にそれ以上は働いてほしくない成分でもあります。
つまり、カールをつけるのに十分な還元が行われたら、それ以上は還元してほしくない。
だから、還元剤の働きを止める+還元剤自体を取り除く必要があるのです。
2.残留 アルカリ剤
アルカリ剤は、カーリング剤やカラー剤などに含まれているpHを調整している成分。
髪を膨潤させて、還元剤やカラー剤の浸透性を高める働きがあります。
また、還元剤やカラー剤が働く環境がアルカリ性の場合には、pH調整の目的もあります。
さて、このアルカリ剤ですが、当然pHがアルカリ性になりますので、髪が必要以上に膨潤しています。
この状態が長く続けば、髪の成分であるCMCやタンパク質などが流出してしまう恐れもあります。
また、せっかく髪の中に導入したPPT、カラー剤など、中にとどまってほしい成分も流出してしまう恐れがあります。
だから、アルカリ剤の働きを止める+アルカリ剤を取り除く必要があるのです。
3.残留 過酸化水素
最後は過酸化水素です。
これは、よくご存じの通り、カラー剤やパーマ2剤に含まれていますね。
カラー剤に含まれる過酸化水素は、髪のメラミン色素を分解して脱色したり、染料を酸化重合して発色させたりという役割。
パーマ2剤に含まれる過酸化水素は、パーマ1剤で還元した髪の中のS-S結合を酸化して再結合させる役割。
どちらもとても重要な役割です。
しかし、その役割が終わったら、今度は髪に対して悪さをしてしまいます。
例えば、メラニン色素やカラー剤を分解してしまうのでカラーの色が早く落ちてしまう、髪のケラチンを過剰に酸化して強度が低下するためパーマがだれやすい、などです。
だから、過酸化水素の働きを止める+過酸化水素を取り除く必要があるのです。
残留薬剤の働きを止める!
以上のように、髪に残留してほしくない薬剤があることがわかりましたね。
それでは、残ってほしくないから洗い流せばよいかというと、そう簡単にはいかないのです。
水洗やシャンプーだけでは、髪の中に入っているすべての残留薬剤を洗い流すことはできず、若干残ってしまうからです。
では、どうしたらいいかというと、残留薬剤の働きを止める!のです。
薬剤によって働きが違うため、順番に見ていきましょう!
1.残留 還元剤の働きを止める=不活性化
還元剤は、チオール基(SH基)を持っていて、これが髪のS-S結合を切ってくれる(還元する)わけですが、この還元剤のチオール基が残っているといけないので、これの働きを止めます。
それを不活性化と言います。
つまり、チオール基を酸化してS-S結合(ジスルフィド結合)にしてしまうのです。
そうすれば、還元剤としての働きはしなくなります。
還元剤を不活性化させるには、ヘマチンや銅クロロフィリンナトリウムなどの、ポルフィリン化合物を使うのが有効的です。
カーリング1液やパーマ1剤をつけてテストカールした後、水洗すると思いますが、この水洗である程度の還元剤は洗い流されます。
しかし、髪の中に残った若干の還元剤が悪さをしてしまうので、この微量の還元剤を不活性化するのです。
2.残留 アルカリ剤の働きを止める=中和
アルカリ剤は、髪のpHをアルカリ性にして、髪を膨潤させます。
アルカリ剤の働きを止めるには、中和 をします。
つまり、酸性の液剤を塗布してpHを調整することで、残留アルカリ剤が中和されます。
これについては、小学校のとき(?)に酸とアルカリの中和っていうのを習うと思いますが、それぐらいなじみ深いことなので、説明不要ですね。
よく、「アルカリを除去する」という言い方をしますが、正確には、「アルカリを中和する」というのが正しいでしょうね。
3.残留 過酸化水素の働きを止める=分解
最後の過酸化水素ですが、これは活性酸素を発生してその活性酸素がいろいろな役割をします。
が、その活性酸素が悪さもしてしまうのです。
この過酸化水素の働きを止めるには、分解 するのが一番です。
すべて活性酸素にして、その活性酸素も分解・不活化してしまうのです。
過酸化水素を分解させるには、ヘマチンや銅クロロフィリンナトリウムなどの、ポルフィリン化合物を使うのが有効的です。
還元剤のところでも出てきましたね。
水洗である程度の過酸化水素を除去した後、微量に残留する過酸化水素をこれらで分解させていきます。
ただ、それでも過酸化水素はごくごく微量残ってしまうのです。
そこで登場するのがルイボスです。
ルイボスエキスは、このごくごく微量残った過酸化水素を時間をかけてじっくりと分解していく効果があるのです。
ヘマヘマと、キトキトを、うまく使う。
ここまでで、残留する薬剤と、それらの働きを止める、ということを説明してきました。
では、具体的にどうするのかについてお話しして、今日のブログを閉めたいと思います。
つまり、″ヘアデトックス″ のやり方です。
それは、ワクワクneo ヘマヘマと、ワクワクneo キトキトを、うまく使うことです。
使う処理剤
使う処理剤は、ワクワクneo ヘマヘマと、ワクワクneo キトキトです。
ヘマヘマには、還元剤や過酸化水素の働きを止める役割のある、
- ヘマチン
- 銅クロロフィリンナトリウム
- ルイボス
が含まれています。
キトキトには、アルカリを効果的に中和させるために、3種類の酸が含まれています。
- クエン酸
- リンゴ酸
- 乳酸
です。
その他、キューティクルを補修するための、
- ヒドロキシプロピルキトサン
- ナノ化キトサン
も含まれています。
ヘアデトックスの手順
カラーでのヘアデトックスの例
※(4)~(7)がヘアデトックスです。
パーマでのヘアデトックスの例
※(3)~(6)がヘアデトックスです。
ポイントは、3つあります。
- キトキト10倍希釈、ヘマヘマ10倍希釈は、アプリケータで
- チェンジリンスのときに溜めるお湯は、カラーカップ3~4杯分(約1L)
- チェンジリンスの時間は1分を目安に。頭皮全体にいきわたるように
文字で見ても分かりにくいと思うので、
さっそく動画でチェックしてください!
ヘアデトックス・ムービー
では、動画で手順を見てみましょう。
これを行うだけで、
ちょっと手間をかけるだけで、
- 髪にツヤがでる!
- 色持ちがアップ!
- 時間がたってもパサついてこない!
- カラー後の嫌な臭いがおさまる!
という効果が出てきますよ。
早速実践してみてください!
″ヘアデトックス″ まとめ
いかがでしたでしょうか?
ヘアデトックス。
還元剤やアルカリ剤、過酸化水素などの薬剤は、
その役目が終わったら速やかに取り除く。
ケミカル施術を行う上で、どんな髪にも必要な処理。
それが、ヘアデトックスです。
これで髪の疎水化の決め手になります。
お客さまの喜びの声が聞こえてきそうですね。
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