目的
髪にトリートメントを塗付したままでCMCが浸透する方法よりも、より強く髪内部に浸透させる方法としてガラス転移点を利用する方法を検討する。
髪のCMCガラス転移点は約85℃である。
方法
シャンプーをした後水洗する。その後リケラエマルジョンを塗付し、ストレートアイロン100℃・140℃などの温度条件を検討する。
以下の3点をポイントにして検証を行った。
- アイロンの適切な温度条件を検討する。(100℃・140℃)
- リケラエマルジョンを塗付する前の水分の量を検討する。(タオルドライが甘め・しっかりめ)
- アイロンの時のプレスする圧のかけ方を検討する。(ノーテンション又はソフトプレス、引っ張り気味の強め)
結果
結果1
温度については、140℃をウエット時に行うことで、ジュッと音がかなりすることと、髪のきしみを感じることが多く、水蒸気爆発につながる恐れを感じた。
100℃であれば、何回スルーしてもジュッという音はなく、アイロン後のきしみも感じなかった。
そのため、100℃を1パネル3回程度行うことが適当と考えられる。
結果2
ベースの水分については、少し水気があるところにリケラエマルジョンを塗付すると、その後の100℃アイロンをスルーする際に水分と混ざりゆるんだ液体がアイロンの際からはみ出てきたり、ポタポタ落ちてしまう。
水分をしっかりふき取ってから、リケラエマルジョンを塗付し、100℃アイロンをスルーした場合は、薬剤がはみ出たり、ポタポタ落ちることもなく安心してアイロン作業をすることができた。
結果3
プレスと圧をと引っ張りながら強めに何回かスルーをしていくと、その力で毛束が伸びる感覚があるため、逆にダメージを与える可能性がある。アイロンスルー後はきしみ感があり髪に負担をかけた施術であると感じた。
アイロンの圧ではなく温度を伝えるだけという感覚で、ノーテンションで挟んでスルーしたが、髪の表面にクリームが残ることなく内部にしっかり入った感覚を得られた。また、アイロンスルー後もきしみ感などもなく良い感触を感じた。
結論
アイロン前の水分量は、しっかりタオルドライを行い、リケラエマルジョンを塗付する。
その後100℃の温度で1パネル3回程度のスルーをゆっくり温まる毛束を感じながら行う。
その時のアイロンのプレスは、ノーテンションでやさしく行うことが、効果的なガラス転移のアイロンテクニックとなる。
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